日本共産党幹部転向声明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:34 UTC 版)
6月に日本共産党幹部の佐野学と鍋山貞親が転向を声明する。声明書に日本の君主制(国体)について次のようにいう(大意)。 日本の君主制をロシアのツァーリズム(絶対君主主義)と同視する党の反君主主義が過ちであることを認める。日本の君主制は民族的統一を表現している。君主制に対する大衆の自然的感情をありのままに把握する必要がある。日本の民族的統一は下からの人民的国家権力成立の強い保障である。 この転向声明が左傾学生生徒に与えた影響について文部省は次にようにまとめている(大意)。 英雄的・先覚者的・殉教者的な気分を抱いて共産主義社会とその指導者に憧れていた学生に対し、理論面よりも感情面から衝撃を与え、その転向に影響があったと認められる。〔…〕従来かれらが盲目的に共産主義やソビエト・ロシアを賛美していたのに対し、これを打破し、かれらに反省と再考の機会を与え、またその理論的誤謬を認識させ、進んでその思想の清算を決意させ、また我が国体と国民の特殊性を考察する機会を与えた。 東大学生課によると、左傾学生も佐野と鍋山の転向声明に影響され、転向動機に「国体」「民族性」「特異性」が目立ちはじる。
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