日本における学歴信仰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 03:46 UTC 版)
学歴信仰が問題視されるようになったのは、1970年代の終わり頃である。この頃、1978年度の共通一次試験の開始によって受験戦争が過激化し、学歴信仰はますます高まっていたが、一方で、1979年の『日本の大学』においては、大学関係者の声として、大学での学問や教育の在り方が危機的な状況になってしまった原因は学歴信仰にあるとしている。また、産業界においても、学歴はあてにならないといった声が高まってきていた。 子供の意識については、少なくとも1990年代の初頭から子供たちの心の中で学歴信仰は崩れ始めていた、と中川浩一は指摘している。1996年の段階で、社会の中の学歴信仰や学校信仰に陰りが見えはじめたとの指摘がある。これは首都圏に住まない受験生が、首都圏に住む受験生と対等な勝負を行うのが極めて難しいからである。逆に首都圏・関西圏では中学受験ブームとという受験の低年齢化が進み、親の学歴・経済力が大きくなっている。そのため同じ首都圏でも足立・江戸川・葛飾といった新下町や、公立王国である千葉・埼玉では中学受験ブームは起こっていない。 ただし、首都圏に住む受験生とその親同士の学歴信仰は存続している。官僚となる国家公務員総合職の採用者数は、院卒、大卒ともに東京大学が圧倒的なトップを占めており、学歴重視の採用基準であることが疑われている。また、東証第1部上場企業の新入社員の初任給の水準は、大学院卒修士で22万2933円、大学学部卒で20万4782円、高校卒で16万883円程度となっている。
※この「日本における学歴信仰」の解説は、「学歴信仰」の解説の一部です。
「日本における学歴信仰」を含む「学歴信仰」の記事については、「学歴信仰」の概要を参照ください。
- 日本における学歴信仰のページへのリンク