日本での技術的要件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 03:45 UTC 版)
日本の鉄道の運転取り扱いでは、旅客や貨物の輸送に直接鉄道車両を使っている場合と、それ以外の場合を区別している。輸送に直接使われる、停車場間での鉄道車両の運転(移動)を「列車」と呼び、それ以外の鉄道車両の移動を単に「車両」と呼ぶ。輸送の準備や後始末で駅構内や車両基地において行う移動(入換)が車両である。列車として運転する場合には、車両に比べて高度な安全要件を満たすことが要求される。 列車として具備するべき条件は、以下のようなものがある。 運転時刻の設定 旅客や係員への周知のほか、列車相互の安全確保のためにも、あらかじめ時刻を決めて列車を運転する。 編成 計画した時刻通りに列車の運転ができるように、動力車の配置など所定の編成を確保し、その編成長は停車場に停車した際に他の線路を支障しないように、所定の長さに収まるようにする。 ブレーキ 所要のブレーキ力を発揮できるように、貫通ブレーキを装備し、ブレーキ力が作用する車軸が編成全体で一定の割合以上となるようにする。連結した車両が分離した場合でも停止させられるように、何らかの手段で自動的にブレーキが作用するようにしておく。運転に先立ってブレーキテストを行い、正しくブレーキが動作することを確認する。 乗務員 運転士を乗務させる。必要に応じて列車防護などの役割をする他の乗務員を乗務させる。運転に際しては安全かつ円滑に運転できるように、最前部を運転席とする。 標識 所定の運転方向がわかるように、連結した車両の最前部には前部標識を、最後部には後部標識を掲げる。 危険品の扱い 貨物列車において危険品を積載するときには、当該車両の前後に定められた両数の空車または危険のない貨物を搭載した車両を挟む。
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