方剤の名称について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 04:33 UTC 版)
漢方薬(方剤)の名称の最後の文字には、次のようなものがある。「湯」が最も多く、「散」がそれに次ぎ、その他は比較的少ない。 〜湯:本来は煎じた液を温かいうちに服用するもの。例:葛根湯、十味敗毒湯、麻黄湯、補中益気湯、六君子湯、人参養栄湯、越婢加朮湯、胃苓湯、茵蔯蒿湯、茵蔯五苓散 〜散:本来は生薬を粉末にしてそのまま服用するもの。例:安中散、五苓散、当帰芍薬散、加味逍遙散、防風通聖散、抑肝散 〜丸:丸薬の意味で、粉末状にした生薬に蜂蜜などを加えて丸く固めたものを服用するもの(ただし現代のエキス剤などの場合はこの限りではない)。例:八味地黄丸、桂枝茯苓丸、六味丸、麻子仁丸、牛車腎気丸 〜飲例:温清飲、参蘇飲、茯苓飲、清心蓮子飲、連珠飲 〜膏:軟膏(塗り薬)のこと例:紫雲膏、中黄膏、神仙太乙膏 その他例:治打撲一方、当帰飲子、痛瀉要方、玉女煎、雷氏清凉滌暑方、黒錫丹、紫金錠 漢方薬(方剤)の名称には、時に次のような文字が入ることもある。 A加B:方剤Aに生薬B(複数の場合もある)を加えたもの。例:葛根湯加川芎辛夷、桂枝加竜骨牡蛎湯、白虎加人参湯、抑肝散加陳皮半夏、桂枝茯苓丸加薏苡仁 A去B:方剤Aから生薬B(複数の場合もある)を取り去ったもの。例:大柴胡湯去大黄、乙字湯去大黄、桂枝去芍薬湯 A合B:方剤Aと方剤Bの合方(合剤)例:猪苓湯合四物湯、茯苓飲合半夏厚朴湯、大柴胡湯合半夏厚朴湯
※この「方剤の名称について」の解説は、「漢方薬」の解説の一部です。
「方剤の名称について」を含む「漢方薬」の記事については、「漢方薬」の概要を参照ください。
- 方剤の名称についてのページへのリンク