新潟事業所の廃水地下浸透問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 02:56 UTC 版)
「クラレ」の記事における「新潟事業所の廃水地下浸透問題」の解説
クラレ新潟事業所(新潟県胎内市倉敷町、旧協和ガス化学工業(株)中条工場、1989年にクラレと合併した企業)は、1959年から1995年まで、工場の製造工程から排出される一部の廃液を、地下(工場内に位置する深さ120から125メートルの井戸)に未処理のまま注入処分(地下浸透)していた。地下に処分していた廃液は合成樹脂の原料である「メチルメタアクリレート」、塗料等の原料である「メタクリル酸」、「硫安」の製造工程で生じる副生物であった。胎内市の指摘を受け、この事実が発覚した2006年に工場で生産していた副生物の廃水を成分分析した結果、1リットル当たりシアン化合物が最大0.59ミリグラム、鉛とヒ素がそれぞれ約0.3ミリグラム含まれていた。同工場は廃液を地下浸透させるための専用の井戸(深さ120〜125メートル)を10本掘り、昭和34年(1959年)から平成7年まで(1995年)の約36年間で計94万7000トンを地下浸透させた。なお同工場が地下処分を開始して間もない1965年には、同県内で新潟水俣病(第二水俣病)の発生が新潟大学から公表され、1968年には昭和電工鹿瀬工場からの排水に含まれていたメチル水銀が原因であるとの政府見解が発表されている。
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