新幹線の線路を先に走った阪急電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 06:37 UTC 版)
「東海道新幹線」の記事における「新幹線の線路を先に走った阪急電車」の解説
京都駅 - 新大阪駅間の一部で、東海道新幹線は阪急電鉄京都本線 大山崎駅 - 水無瀬駅 - 上牧駅間と高架で並行している。新幹線の建設に際し、元は地上区間だった阪急線の東側にほぼ並行して新幹線の高架を建設することになったが、淀川沿いで脆弱な地盤ということもあり、工事の影響で阪急線が地盤沈下する可能性があった。そのため、阪急線の高架化工事も同時に施工し、並行させることになった。 その過程で、東海道新幹線の開業前の1963年(昭和38年)4月から12月の間、大阪梅田方面は4月24日から 12月14日まで、京都河原町方面は5月10日から 12月19日まで、先に完成していた東海道新幹線の高架線路を阪急線工事中の仮線として用いて、仮設の駅ホームも設置して暫定的に阪急の車両を走らせていた。これは阪急電鉄の路線が、新幹線と同様の標準軌だからこそ成し得たことであった。 よって新幹線の「線路」を走った初の営業列車は、阪急京都本線の列車ということになる。参考までに当時この区間を走行した車両のうち、阪急2300系電車は2015年3月下旬に全車引退するまで、最後まで残った「新幹線の線路を走った阪急電車」であった。 この時期に同線に乗車した川島令三の証言によれば、初期のうちは地盤が固まっていないため減速運転を行なっていたものの、後期になると京都本線の最高速度である110 km/hで走行するようになったとされている。 その後、阪急線用の高架線路も完成したことから、それぞれの線路は本来の目的に使われるようになった。
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