文学賞選考における評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 21:27 UTC 版)
「風の歌を聴け」の記事における「文学賞選考における評価」の解説
文学賞結果選評など第22回群像新人文学賞(1979年4月発表) 受賞 選考委員は佐々木基一、佐多稲子、島尾敏雄、丸谷才一、吉行淳之介の5人。 全員から支持を得て受賞。特に丸谷才一と吉行淳之介からは高い評価を受けた。 しかし講談社の内部では「こんなちゃらちゃらした小説は文学じゃない」という声があり、出版部長にも受け入れられなかったという。 第81回芥川賞(1979年7月発表) 候補のみ 選考委員は瀧井孝作、丹羽文雄、井上靖、中村光夫、安岡章太郎、吉行淳之介、遠藤周作、大江健三郎、開高健、丸谷才一の10人。 丸谷才一の選評。「もしもこれが単なる模倣なら、文章の流れ方がこんなふうに淀みのない調子ではゆかないでせう。それに、作品の柄がわりあひ大きいやうに思ふ」 瀧井孝作の選評。「外国の翻訳小説の読み過ぎで書いたような、ハイカラなバタくさい作だが……。(中略)しかし、異色のある作家のようで、わたしは長い目で見たいと思った」 大江健三郎の選評。「今日のアメリカ小説をたくみに模倣した作品もあったが、それが作者をかれ独自の創造に向けて訓練する、そのような方向付けにないのが、作者自身にも読み手にも無益な試みのように感じられた」 第1回野間文芸新人賞(1979年12月発表) 候補のみ 選考委員は秋山駿、上田三四二、大岡信、佐伯彰一の4人。
※この「文学賞選考における評価」の解説は、「風の歌を聴け」の解説の一部です。
「文学賞選考における評価」を含む「風の歌を聴け」の記事については、「風の歌を聴け」の概要を参照ください。
- 文学賞選考における評価のページへのリンク