数学的実在論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 14:19 UTC 版)
実在論が一般にそうであるように、数学的実在論もまた、数学的実体が人間の心とは離れたところに実在していると考えている。それゆえ、人間が数学を発明したのではなく、数学を発見したのだ、ということになる。宇宙に別に知的生命がいるとすれば、それがどんな存在であっても同じように数学を発見するであろう。この観点から言えば、発見されうる数学はたった一種類だけである。例えば、三角形は真の実体であり、人間の心が生みだしたものではない。 現場の多くの数学者は数学的実在論者であった。彼らは、彼ら自身を自然に発生する対象の発見者だとみなしている。数学的実在論者の例には、ポール・エルデシュやクルト・ゲーデルも含まれる。ゲーデルは、ある意味で感覚的知覚と同様に知覚されうる客観的な数学的実在を信じていた。彼らによれば、無媒介に真であると考えられる確実な原理(例えば、任意の二つの対象について、正確にその二つの対象によって構成される対象のコレクションが存在する)というものがいくつかある。しかし、連続体仮説のように、そのような原理だけをもとにしては決定的に証明することができない仮説もある。ゲーデルによれば、このような仮説を合理的に仮定するのに十分な証拠を提供するために、準経験的な方法論を用いることができる。 どんな存在が数学的実体であるのか、また、どうすれば我々はそれらを知るのかをめぐって、実在論の内部にいくつもの異なる立場がある。
※この「数学的実在論」の解説は、「数学の哲学」の解説の一部です。
「数学的実在論」を含む「数学の哲学」の記事については、「数学の哲学」の概要を参照ください。
- 数学的実在論のページへのリンク