数学的帰納法の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 22:48 UTC 版)
次の等式が成り立つという命題を P(n) とし、この命題が任意の自然数 n について成立することを数学的帰納法を用いて証明する。 1 + 2 + ⋯ + n = n ( n + 1 ) 2 . {\displaystyle 1+2+\cdots +n={\frac {n(n+1)}{2}}.} まず、P(1) は右辺を計算することで、正しいことが確かめられる。 右辺 = (1(1+1))/2 = 1 = 左辺。 次に、任意の自然数 k をとる。P(k) は下記の通りであり、これが成立すると仮定する。 1 + 2 + ⋯ + k = k ( k + 1 ) 2 . {\displaystyle 1+2+\cdots +k={\frac {k(k+1)}{2}}.} これが成立することを使い、 P(k + 1) の左辺を計算すると、P(k + 1) も成立することが分かる。 1 + 2 + ⋯ + k + ( k + 1 ) = ( 1 + 2 + ⋯ + k ) + ( k + 1 ) = k ( k + 1 ) 2 + ( k + 1 ) = ( k + 1 ) ( k + 2 ) 2 {\displaystyle 1+2+\cdots +k+(k+1)=(1+2+\cdots +k)+(k+1)={\frac {k(k+1)}{2}}+(k+1)={\frac {(k+1)(k+2)}{2}}} 以上から、数学的帰納法により、任意の自然数 n について命題 P(n) が成立する。(証明終)
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