数学的定義と計算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/17 21:34 UTC 版)
「ポテンシャルエネルギー曲面」の記事における「数学的定義と計算」の解説
ある原子の組の配置は原子位置を要素とするベクトル R によって記述される。ベクトル R は原子のデカルト座標の組として表してもいいし、原子間距離と結合角の組でも構わない。 系の全原子位置 R の関数として表したポテンシャルエネルギーの値を E(R) とする。前述のように地形とのアナロジーを用いると、E は地形面の高さにあたる。 原子位置の関数としてのPESを化学反応の研究に用いるには、考えられるすべての原子配列に対してエネルギーを計算しなければならない。特定の原子配列のエネルギーを計算する方法については計算化学の記事に譲り、ここでは E(R) を近似することでエネルギーと位置の関係についての情報を高い粒度で求める方法に重点を置く。 非常に単純な化学系や、原子間相互作用を簡略化した近似を用いる場合には、エネルギーを原子位置の関数として表す式を解析的に導くことも可能である。例として、H + H2 系におけるロンドン・アイリング・ポランニー・佐藤ポテンシャルは3つのH-H原子間距離の関数である。 より複雑なシステムの場合、特定の原子配列に関するエネルギーの計算コストが高くなりすぎ、広範囲のPESを作れないことが多い。その場合はPES上の限られた点でのみ計算を行い、シェパード法(英語版)のような計算コストの低い補間法を用いてギャップを埋めていく方法がある。
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