教義と典礼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 09:47 UTC 版)
ニカイア・コンスタンティノポリス信条を告白するが、カルケドン信条を告白しないことから、俗には単性論教会とされるが、アルメニア使徒教会自身は「単性論教会」を自称せず、そうみなされることを不当としている。カルケドン公会議で否定されたエウテュケスの教説(本来の単性論)を、アルメニア使徒教会もまた異端として否定しているからである。アルメニア使徒教会の主張では、カルケドン信条を否定するのは、文章上の定式化に難点があるからであり、そのキリスト理解はむしろエルサレムのキュリロスの「ひとつの位格、ふたつの性格」に沿ったものであるとする。ただし二つの性格は不可分に一体となっているというのがその主張である。これを合性論(en:Miaphysitis)という(伝統的には合性論は単性論の変種として解釈されてきた)。 詳細は「合性論」を参照 カルケドン公会議(第四全地公会議)を承認しないことで分離した教会であるため、より中立的な呼び名・カテゴライズとして非カルケドン派正教会がある。そして、教義を同じくする非カルケドン派のコプト正教会・シリア正教会・エチオピア正教会などとはフル・コミュニオン(完全相互領聖)の関係にある。 典礼は、だいたいにおいてシリア正教会やコプト正教会と類似する。典礼言語には古典アルメニア語を用いる。典礼は、荘重で保守的である。イコンの使用や、形式的には東方正教会との類似点を有するが、聖歌にパイプオルガン等の伴奏楽器を用いる教会も存在する。 教会暦には、1923年以来グレゴリオ暦を使用している。唯一の例外として、エルサレムのアルメニア総主教区ではユリウス暦が使用されている。 アルメニア使徒教会では、教会暦上の1月6日に、イエスの洗礼を記念する神現祭と同時にイエスの降誕を記念する降誕祭を行う。
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