故障と運用中止について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/04 14:28 UTC 版)
「みどりII」の記事における「故障と運用中止について」の解説
2003年(平成15年)10月25日 午前7時28分頃、データ中継衛星「DRTS」経由した後、埼玉県鳩山町にある地球観測センターで受信する予定だった衛星の地球観測データが受信されなかった。 その為、筑波宇宙センターの衛星担当の職員が衛星の状態を確認する手引きを行い、同日午前8時49分頃、衛星運用状態を確認すると、衛星の電力系に何らかの異常が発生し、観測機器等をオフにした軽負荷モード(異常発生時に、ミッション機器用ヒータやバス機器等必要最低限の機器のみオンにして消費電力を抑えた状態)に移行している事がわかった。 その後すぐの同日午前8時55分頃、衛星との通信状態が乱れ始め、それ以降他の通信局でもテレメトリデータを受信することが出来なくなった。 JAXAは衛星から受信したそれまでのテレメトリデータから、太陽電池パドルの発生電力が通常の1/6である、6kWから1kWに低下していることを突き止め、その後数ヶ月に渡り、コマンド送信や衛星状態の解析などを実施したが、衛星との交信は復旧しなかった。 JAXAは衛星のテレメトリデータを解析し、故障の原因の仮説を発表した。仮説はいくつかあるが、どれも、太陽電池から太陽電池パドルと衛星を繋ぐハーネス間で、回路の短絡または開放が起こり、衛星側に送れる電力が低下したというものになっており、スペースデブリが太陽電池パドルに衝突し破断した訳ではないとしている。
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