政治・社会的影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/21 04:44 UTC 版)
「マハーバーラタ (テレビドラマ)」の記事における「政治・社会的影響」の解説
Ananda Mitraによる「インドにおけるテレビと大衆文化」(Television and Popular Culture in India- a study of the Mahabharat. New Delhi/Thousand Oaks/London : Sage Publications, 1993.)では、ドラマ『マハーバーラタ』の政治や社会に対する影響が指摘されている。本来の叙事詩『マハーバーラタ』は、物語が語り継がれるインドの各地域の文化が反映され、各地域ごとに異なるイメージでとらえられていた。クリシュナ神への信仰にも地域ごとの違いがあった。ところが全国ネットで放送されたこのドラマは、叙事詩の『マハーバーラタ』の地域ごとのイメージをヒンドゥー至上主義に結びつく1つのイメージで上書きし統一化していき、クリシュナ信仰のあり方も一元化に向かわせていったという。また、多神教のヒンドゥー教には中心的な存在がなかったが、ドラマに登場したクリシュナのイメージがその中心的な位置づけを得たという。こうした影響は、ドラマ『マハーバーラタ』の前にドラマ『ラーマーヤナ』が放送されていた頃からみられていた。これらのテレビドラマは、ヒンドゥー原理主義の台頭を招き、原理主義者による一般市民への宣伝に利用され、ヒンドゥー教の排外主義(例えば1992年のアヨーディヤー・モスクの襲撃)に繋がったとも指摘されている。ヒンドゥー原理主義の勢力拡大の結果、ヒンドゥー至上主義を掲げるインド人民党が1988年の総選挙で大幅に議席を伸ばし、1996年の総選挙では当時の与党・国民会議派を破って第1党となった。そして1998年には他党との連立政権を樹立した。このインド人民党の躍進も、ドラマ『マハーバーラタ』人気が追い風となったともいわれている。
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