改造の手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 15:34 UTC 版)
内閣改造は、憲法第68条に定める国務大臣任免権を背景として、内閣総理大臣がすべての国務大臣の辞表をとりまとめ、国務大臣を新たに任命するという形式をとる。閣僚として留任する者には後で辞表を返還する。国務大臣の外遊中のために内閣改造が絡む閣議を欠席するのは異例とされるが、内閣の見解では「国務大臣の出張先に連絡を取り、本人の意思を確認すれば、(辞表の)紙がそろう必要はない」「国務大臣の了解を官房長官が得れば問題ない」としている。国務大臣が辞表を提出せずに国務大臣を退任させる場合は首相が罷免権を行使するが、過去に例はない。 改造内閣において新たに閣僚となる者のみ「国務大臣に任命する」と発令され、閣内異動や留任の場合を含め、改造前から引き続き閣僚となる者には官記は発せられない(形式的に辞表を提出しているが、その当人に対しては国務大臣としての空白期間が生じないため)。ただし、例えば、総務大臣から外務大臣に「横滑り」となる場合には、改めて内閣総理大臣から補職辞令がなされる。この補職レベルの異動は内閣総理大臣が一方的に命じたり免じたりすることができる。よって国務大臣の辞表は「○○大臣を辞する」と記すのではなく、「国務大臣を辞する」とするのが正しい。なぜなら、国務大臣の辞任が認められた場合は、内閣総理大臣から補職された地位も当然に失うことになるからである。憲法で定められ内閣という合議体の構成員である国務大臣と、法律で定められた行政機関の長である主任の大臣(各省大臣)の地位とは切り離して扱われる。改造に伴って閣僚でなくなる者については、形式的には自発的な辞任であるため、辞令書には「願に依り本官を免ずる」と記載される。 具体的な手順としては、改造日当日朝の閣議の際に首相が全国務大臣の辞表をとりまとめた後、首相官邸に与党幹部や官房長官(もしくは選任予定者)らを呼んで「組閣本部」を設置し、新国務大臣を決定する。 その後、首相官邸において内閣官房長官就任予定者(もしくは留任した官房長官)が閣僚名簿を発表し、続いて閣僚予定者を含む全閣僚が就任会見を行い、その抱負などを述べることが慣例となっている。これら一連の作業の後、宮中において新たに閣僚となる者の認証式が行われ、首相官邸の階段で首相と全閣僚が揃って記念撮影を行う。
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