探査機について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 15:55 UTC 版)
ベピ・コロンボは複数の独立して機能する探査機であるMMOとMPOとを、連結した状態で水星へと向かった。なお、水星軌道投入までは電気推進モジュール MTM (Mercury Transfer Module)が使われる。MMH/MON3推進薬を使用する2液式の化学推進系が地球軌道からの脱出時と、月へのフライバイ時に使われた。それ以降は火工品を使って遮断され、巡航フェーズにブローダウンモードでのみ使われる。巡航フェーズではイオンエンジンを使って航行する。これにより長時間かけて、太陽に対する速度を徐々に低下させながら、水星の周回軌道に投入できるようにする。 MMOとMPOの特徴は、水星磁気圏探査衛星(MMO)が、プロトン磁気探査器を搭載しており、その他電磁場探査器などによって、太陽嵐によって発生するだろうと考えられている磁気圏探査を目的にしている。この探査機器は、従来の機器よりも高感度の機器類である。 両探査機は、水星の極軌道に投入する事により、太陽からの直接的な熱流入を半分に抑え、水星近傍での約700 Kという高温の熱輻射から衛星を守る予定である。予定通りの軌道に投入できれば、高度約100 km程度の位置を約15分で周回する。このため、太陽面に近い所を周回する時には探査を行い、太陽面の反対側に回る時には地球へ観測データの送信を行う計画である。しかし、この方式では地球でデータ受信可能な時間が短いため、高バンド通信などの開発も同時に進めている。
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