指標 (数学)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/24 20:21 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動数学において、ある指標(しひょう、英: character)とは、群から(複素数全体のような)体へのある特殊な関数のことを言う。少なくとも二つの、異なるが重複もする意味が存在する。
乗法的指標
群 G 上の乗法的指標(あるいは線形指標または単純に指標)とは、G からある体(通常は複素数体)の乗法群への群準同型である (Artin 1966)。G を任意の群としたとき、そのような準同型の集合 Ch(G) は点ごとの乗算の下でのアーベル群をなす。
この群は G の指標群と呼ばれる。しばしば、「単位的」な指標のみが考慮され、したがって像は単位円の中にある。このとき、その他の準同型は準指標 (quasi-character) と呼ばれる。この定義の特殊な場合として、ディリクレ指標がある。
乗法的指標は線形独立である。つまり をある群 G 上の異なる指標としたとき、 であるなら が成立する。
表現の指標
体 F 上の有限次元ベクトル空間 V 上の群 G の表現 φ の指標とは、その表現 φ のトレースのことを言う。一般に、そのトレースは群準同型ではなく、そのトレースの集合が群をなすこともない。一次元表現の指標は、一次元表現と同一であり、したがって上述の乗法的指標の概念はより高次元の指標の特別な場合として考えられる。指標を用いた表現の研究は指標理論と呼ばれ、その分野において一次元指標は線形指標とも呼ばれる。
関連項目
- ディリクレ指標
- ハリシュ=チャンドラ指標
- ヘッケ指標
- 無限小指標
- 交代指標
- 指標表
参考文献
- Artin, Emil (1966), Galois Theory, Notre Dame Mathematical Lectures, number 2, Arthur Norton Milgram (Reprinted Dover Publications, 1997), ISBN 978-0-486-62342-9 Lectures Delivered at the University of Notre Dame
- Serre, Jean-Pierre (1977), Linear Representations of Finite Groups, Springer-Verlag, ISBN 0-387-90190-6.
外部リンク
- Hazewinkel, Michiel, ed. (2001), “Character of a group”, Encyclopaedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4
- Character of a group representation - PlanetMath.org(英語)
「指標 (数学)」の例文・使い方・用例・文例
- 世論調査は政府の信用度の指標だ
- 道徳的指標
- その地での売り上げは、全国の売り上げの指標としての機能を果たすと考えられている。
- Qレシオは企業の資産に注目した株式指標です。
- ベータ値は市場に関連して株価の予想変動率を測る標準的な指標だ。
- ボリンジャーバンドは1980年代、ジョン・ボリンジャーによって生み出された予想変動率を測るのに最も有益な指標のひとつである。
- 株価収益率とは、株価の状況を判断する指標である。
- 経常利益率とは、収益性分析の指標の1つで、経常利益の売上に対する構成比を表す。
- 限界利益率は、管理会計の分野で使われる財務指標だ。
- 悪い経済指標が円の売り材料となった。
- サイコロジカルラインは売り買いの一つの指標を提供する。
- トピックス コア 30は、今日の人気ベンチマーク指標の一つである。
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- 指標分析は一般に5つのカテゴリーに分類される。
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- 相対力指数はJ・ウェルズ・ワイルダーが考案したもので、金融市場分析で最も広く利用されるテクニカル指標の1つになっている。
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