置換の符号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/13 18:14 UTC 版)


Odd permutations have a green or orange background. The numbers in the right column are the inversion numbers オンライン整数列大辞典の数列 A034968, which have the same parity as the permutation.
数学において、少なくとも二元を含む有限集合 X の置換(X から X への全単射)は大きく二つのクラス(偶置換と奇置換)に分けられる。X の任意の全順序を固定して、X の置換 σ の偶奇性(パリティ; 対性)は σ の転倒数、すなわち X の元の対 (x, y) で x < y かつ σ(x) > σ(y) なるものの数、の偶奇性によって定義することができる。
置換 σ の符号 (sign) あるいは符号数 (signature) sgn(σ) は、σ が偶置換ならば +1, 奇置換ならば −1 を割り当てる。置換の符号函数 sgn は対称群 Sn の交代指標と呼ばれる群指標を定義する。置換の符号に対する別の記法として、より一般のレヴィ–チヴィタ記号によって与えられる εσ がある。これは X から X への全単射とは限らない任意の写像に対して定義され、全単射でない写像に対しては 0 を割り当てる。
置換の符号は inv(σ) を σ の転倒数とすれば
- sgn(σ) = (−1)inv(σ)
と明示的に書くことができる。(転倒数は置換 σ を積として表すのに必要となる隣接互換の最小数とも一致する。)
あるいは、置換の符号を置換の互換の積への分解によって定義することもできる。すなわち、置換 σ の互換の積への分解に現れる互換の数を m とするとき、
- sgn(σ) = (−1)m
とおくのである。置換のこのような互換の積への分解は一意ではないけれども、分解に現れる互換の総数の偶奇は置換ごとに一定しているので、この方法で置換の符号は矛盾なく定まる[1]。
さらに置換 σ ∈ Sn の符号を定義する他の方法としては差積 Δ(x1, …, xn) への自然な作用を介して
置換の符号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/24 14:42 UTC 版)
詳細は「置換の符号」を参照 n-次の置換 σ について、σ の符号と呼ばれる ±1 の数 sgn(σ) を定めることができる。sgn(σ) の定義にはいくつかの方法がある。 sgn(σ) = (−1)d(σ). ただし d(σ) は 1 ≤ i < j ≤ n かつ σ(i) > σ(j) となっている (i, j) の組の数で、σ の転倒数と呼ばれる。 σ が偶置換のとき sgn(σ) = 1, σ が奇置換のとき sgn(σ) = −1。つまり σ が k 個の互換の積で表せるとき sgn(σ) = (−1)k と定める。 σ が表す置換行列を Xσ とするとき、Xσ の行列式によって sgn(σ) = det(Xσ) と定める。 n 変数の差積 Δ = ∏1≤i<j≤n Xi − Xj に対して、∏1≤i<j≤n Xσ(i) − Xσ(j) = sgn(σ)Δ で定める。 sgn は Sn から位数 2 の群 {±1} への準同型を定めており、二つ目の定式化からも明らかなように交代群はこの符号写像の核として特徴づけられる。
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