抜擢真打
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 16:30 UTC 版)
近年の江戸落語団体では、入門順により真打昇進が運用されているが、特に優れたものに関しては「抜擢真打」として入門順を配慮せず、真打昇進が図られる場合がある(下記いずれも、本人記事参照)。この場合、香盤も先に入門した落語家を追い抜くため「~人抜き」と強調される。 落語協会では比較的抜擢真打が諮られるケースが多く、戦後の主な適用例として、古今亭朝太→3代目古今亭志ん朝(1962年、36人抜き)、柳家さん治→10代目柳家小三治(1969年、17人抜き)、春風亭小朝(1980年、36人抜き)、柳家さん光→3代目柳家権太楼 (1982年、18人抜き)、 柳家小きん→4代目桂三木助(1985年、26人抜き) 、三遊亭きん歌→三遊亭歌之介(現:4代目三遊亭圓歌、1987年、18人抜き)、柳家小緑→柳家花緑(1994年、31人抜き)、柳家喬太郎(2000年、12人抜き)、林家たい平(2000年、7人抜き)、春風亭一之輔(2012年、21人抜き)、古今亭朝太→古今亭志ん陽(2012年、8人抜き)、古今亭菊六→古今亭文菊 (2012年、28人抜き) などがある。 落語芸術協会では、歴代の会長のうち、特に桂歌丸(第5代会長)は生前抜擢真打について否定的な考えであったとされている。過去に春風亭昇太(1992年、7人抜き)の適用例があるが第3代会長の4代目桂米丸の時であり、この時は席亭推薦により抜擢真打となっている。これ以降、芸協の落語家としての抜擢真打の運用例はなかったが、2021年2月中席より桂宮治が芸協としては29年ぶりに5人抜きでの抜擢真打となった。
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