投資銀行とシャドーバンキングシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 02:11 UTC 版)
「大きすぎて潰せない」の記事における「投資銀行とシャドーバンキングシステム」の解説
銀行とは対照的に、証券会社(投資銀行)は一般にプロの投資家から資金を調達し、多くの場合、自らの勘定または投資家の代理として、その資金を使った複雑かつリスクの高い投資を行う。また、証券会社は売りと買いの金融取引の両サイドにいる投資家間の仲介者としても機能するという点で「マーケットメーカー」でもある。グラス・スティーガル法は、1999年に廃止されるまで、銀行と証券会社とを分離していた。 2008年以前は、政府は投資家の資金を明示的には保証していなかったため、証券会社は銀行と同じ規制の対象ではなく、相当量のリスクを引き受けることができた。 投資銀行は、シャドー・バンキング・システムと呼ばれる銀行・金融業における別のイノベーションと合わせ、2007年までに銀行システムに匹敵するまでに成長した。2007年・2008年には、取り付け騒ぎと同等の現象が起こる対象となり、投資家(預金者ではなく)がシャドー・システムから資金源を引き出した。この取り付けは、サブプライム住宅ローン危機のことを指す。 2008年中に、米国最大の投資銀行5行は、破綻したか(リーマン・ブラザーズ)、他の銀行に格安で買収されたか(ベアー・スターンズとメリルリンチ)、破綻の危機に瀕し、連邦準備制度の追加支援を得るために預金取扱銀行の認可を取得した(ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレー)。さらに、2008年に、米国政府は不良資産救済プログラムを通じて救済資金を供給した。 連邦準備制度理事会のベン・バーナンキ議長は、2013年11月に、1907年恐慌が本質的に非預金取扱金融機関での取り付け騒ぎであったことを、2008年の金融危機との多くの類似点を上げつつ説明した。 1907年恐慌の結果の1つが、1913年の連邦準備制度の創設であった。
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