戦車の超信地旋回
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 07:13 UTC 版)
戦車では、第二次世界大戦当時までは超信地旋回可能な車両は限られていた。これが可能な戦車として、イギリスのメリット・ブラウン式変速装置をもつチャーチル歩兵戦車、クロムウェル巡航戦車以降の型や、ドイツのティーガー戦車系列が挙げられる。これらは、左右の履帯の速度を変えて滑らかな旋回が可能であったが、特に重戦車の場合、超信地旋回の多用は履帯の脱落や故障の発生の原因となるので、あまり行われなかった。アメリカの戦車では、戦後のM41 ウォーカー・ブルドッグやM46パットンのクロスドライブ式トランスミッションの採用以降、超信地旋回が可能となっている。この方式は、以後の世界中の戦車に採用されている。 現代では、NATO加盟国をはじめとする西側諸国のほぼ全ての主力戦車が超信地旋回可能である。日本の陸上自衛隊では74式戦車、90式戦車、10式戦車が対応している。 一方、ソビエトの戦車のほとんどは超信地旋回が不可能となっている。ソビエト製戦車から発展した東側諸国や中国の多くの戦車も同様である。ロシアではT-90までは超信地旋回が不可能だったが、量産に向けて開発が進んでいる最新型のT-14で超信地旋回が可能になった。
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