我孫子市鳥の博物館とは? わかりやすく解説

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我孫子市鳥の博物館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/13 13:11 UTC 版)

我孫子市鳥の博物館
Abiko City Museum of Birds
千葉県内の位置
施設情報
愛称 鳥博
管理運営 我孫子市教育委員会生涯学習部鳥の博物館
開館 1990年(平成2年)5月20日
所在地 270-1145
千葉県我孫子市高野山234-3
位置 北緯35度51分40.8秒 東経140度1分50.7秒 / 北緯35.861333度 東経140.030750度 / 35.861333; 140.030750座標: 北緯35度51分40.8秒 東経140度1分50.7秒 / 北緯35.861333度 東経140.030750度 / 35.861333; 140.030750
外部リンク www.city.abiko.chiba.jp/bird-mus/index.html
プロジェクト:GLAM
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我孫子市鳥の博物館(あびこしとりのはくぶつかん、英語: Abiko City Museum of Birds)は、千葉県我孫子市が運営する博物館である。所管は、我孫子市教育委員会生涯学習部鳥の博物館。

山階鳥類研究所1984年昭和59年)、我孫子市に移転したことをきっかけである。

1988年(昭和63年)に設計を開始し[1][2]、隣接地に1990年平成2年)5月20日に開館した[3][4]

両者の関係は深いが別団体である。すなわち同研究所は民間団体であり、鳥の博物館は市立である。日本で唯一、鳥類について総合的に研究・展示する博物館である。通称、鳥博(とりはく)。手賀沼のほとりにある。「人と鳥の共存を目指して (Harmony among Birds and People!) 」というメッセージを掲げているている。最近では、フィールドミュージアムを標榜し、自然観察会「あびこ自然観察隊」や、手賀沼周辺での定例探鳥会(毎月第二土曜日)「てがたん」[5]を実施している。

概要

開館日

住所

開館日及び時間

  • 午前9時30分 - 午後4時30分

休館日

  • 月曜日(月曜が祝日の場合は翌平日を休館とする)。
  • 年末年始(12月28日 - 31日、1月2日 - 3日)。1月1日は開館。
  • 館内整理日

入館料

入館料は、一般が300円、高校生・大学生が200円で、下記の場合は入館料が免除される[6]

  • 70歳以上の人。
  • 中学生以下の人。
  • 障害者基本法第2条に規定する心身障害者、およびその介助者・引率者1名。

また、下記の日は入館無料となる[6]

  • 5月第2日曜日:Enjoy手賀沼
  • 5月18日:国際博物館の日
  • 5月22日:鳥の博物館開館記念日
  • 6月15日:千葉県民の日
  • 11月第1土曜日、翌日曜:ジャパン・バードフェスティバル

20名以上の団体で利用する場合、事前に電話予約をすることで1人につき240円に割引される[7]

白樺文学館杉村楚人冠記念館との3館共通券があり、一般は500円、高校生・大学生は400円で販売されている[8]

主な施設・設備

  • 常設展示室
  • 企画展示室
  • 体験学習室
  • 鳥の資料室(図書・映像)
  • 講堂
  • ミュージアム・ショップ(バードコールなどの販売)
  • 展望テラス
  • 車椅子
  • ベビーカート
  • 小荷物ロッカー
  • 水飲場
  • トイレ

代表的な展示物は、トキなどの大型鳥類からマメハチドリのような小鳥に至るまで約270点の剥製[9]、絶滅した世界一の巨鳥・エピオルニスの卵、始祖鳥化石レプリカ、約500万年前の羽毛化石などである。手賀沼の自然を模したジオラマ、世界の鳥の展示コーナー、パソコンで我孫子の自然と鳥のあれこれについて学べるQ&Aコーナーなどがある。

設立経緯

当施設の設置目的は、「人にたいへん身近な鳥への関心を高め、その保護意識を通じて、自然保護、緑の創造、さらには市のシンボルである手賀沼の浄化へと市民意識の高揚をはかりたい。」(鳥の博物館基本構想)ということにあった[10]。すなわち、その発端には、1970年代から水質汚濁が著しく進行していた手賀沼の浄化の願いがあり、その普及啓蒙を意図して山階鳥類研究所を誘致したことが出発点であった。

例えば我孫子市鳥の博物館自身の文書によれば、「この背景には、ここ10年来、全国の湖沼の水質ワースト1になっている手賀沼の汚濁の問題があった。(中略)……市民の手賀沼浄化への願いが高まってきた。この願いに応えるため、まず、鳥類を通じた自然保護活動でも知られる(財)山階鳥類研究所の誘致が決まった。さらに、同研究所の強力(原文ママ)を得て、市民が鳥に関する情報を気軽に得ることができる施設「我孫子市鳥の博物館」が設置された。」のである[10]

また1985年当時の我孫子市長であった渡辺藤正は、山階鳥類研究所移転の際の祝辞で「市では、これを機に広く一般市民に開放できる鳥類展示館の建設や「市の鳥」制度を進めてまいる考えでおりますので……」と述べている[11]

一方、山階鳥類研究所側の考えとして、創立者の山階芳麿が年来、鳥の博物館を建設する夢を持っていたこと挙げられる[注釈 1]。 

このように鳥の博物館は、山階鳥類研究所の移転をきっかけに建設されたものだが、上記の渡辺藤正のコメントにもあるように、当初は同研究所の標本を展示する施設として構想されていたもので、後に独立した市立博物館構想に変わっていった[注釈 2]

このような経緯から、鳥の博物館の構想策定や建設にあたっては山階鳥類研究所が広範な協力をしている。同研究所の複数の職員が委嘱を受けて「我孫子市鳥の博物館建設委員会」「我孫子市鳥の博物館協議会」に参加した他、鳥類に関する基礎的資料の提供、展示に関するアドバイス、展示標本の収集と制作などを行った。また、開館当初の館長を所長である黒田長久が兼務した[14]

交通

鉄道

自動車

注釈

注釈

  1. ^ 1990年当時の山階鳥類研究所理事長、浅野長愛は「山階鳥研の創始者で初代理事長の山階芳麿は、東京渋谷区南平台の研究所に鳥の博物館をつくることを終生の夢としていましたが、計らずもこういう形でその夢が実現したことを地下で喜んでいるでしょう。」と述べている[12]。実際に、山階鳥類研究所の創立当初、渋谷区南平台の敷地には「将来鳥類展示のために博物館を建て、研究所と合わせて鳥類に関する総合センターをつくる」ための敷地が用意されていた。この土地は、太平洋戦争後の情勢変化により研究所の経営が行き詰まったために売却せざるを得ず、当初の博物館構想は断念された経緯がある[13]
  2. ^ 鳥の博物館開設当時の我孫子市長大井一雄と我孫子市議会議長佐々木豊治の、鳥の博物館開館を記念した座談会での発言「大井:昭和五十九年当時は、山階鳥研の標本をかりて市民のために展示したいと思っていました。」「佐々木:山階鳥研は研究施設だから一般に公開はしないとのことで、何とか開放してもらいたいという希望が議員の間にもあった。その議論があったので、前市長が鳥の博物館の設置問題を非公式に議員に投げかけた。それを議論しているうちに話は次第に固まってきて、皆で次第につくり上げてきたというあたりが真相ではないですか。」がいきさつを物語っている[12]

出典

  1. ^ “鳥の博物館動き出す 来年5月開館へ設計に入る 世界の164科が一目 我孫子”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 27. (1988年2月20日) 
  2. ^ “全国初の鳥類博物館 手賀沼湖畔に建設へ 世界の種、一堂に 65年1月オープン”. 読売新聞 (読売新聞社): p. 朝刊 24. (1988年8月31日) 
  3. ^ a b “日本初「鳥の博物館」開館 関係者ら式典で祝う あすから一般公開”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 朝刊 17. (1990年5月21日) 
  4. ^ a b “鳥と人の共存求め 環境保全アピール 我孫子市鳥の博物館、20日開館”. 毎日新聞 (毎日新聞社): p. 朝刊 24-25. (1990年5月17日) 
  5. ^ てがたん(手賀沼の自然観察会)我孫子市 鳥の博物館(2018年11月1日閲覧)。
  6. ^ a b 休館日と入館料”. 我孫子市 鳥の博物館 (2024年5月30日). 2025年3月13日閲覧。
  7. ^ 学校・団体利用案内”. 我孫子市 鳥の博物館. 2025年3月13日閲覧。
  8. ^ 鳥の博物館、白樺文学館、杉村楚人冠記念館、3館共通券販売中”. 我孫子市教育委員会 (2021年4月22日). 2025年3月13日閲覧。
  9. ^ 【わがまちお宝館】我孫子市鳥の博物館(千葉県)鳥の剥製270点 壁一面に『朝日新聞』朝刊2018年10月31日(第2東京面)。
  10. ^ a b 無記名, 1992. 我孫子市鳥の博物館開設について. 我孫子市鳥の博物館報, (1): 1.
  11. ^ 渡辺藤正, 1985. 研究所を我孫子市に迎えて. 山階鳥類研究所研究報告, 17: 1.
  12. ^ a b 大井一雄・佐々木豊治・中村宏・浅野長愛・今村武俊・黒田長久, 1990. 鳥の博物館の明日を考える. やましな鳥研NEWS, 2(5): 2-3.
  13. ^ 黒田長久 1989. 財団法人山階鳥類研究所ー研究事業の回顧と展望ー. 文教, (46):1-15.(教育問題研究会)
  14. ^ 無記名, 1990. 祝 鳥の博物館開館!. やましな鳥研NEWS, 2(4): 2-3.

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