愛妻家と家庭状況の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 20:28 UTC 版)
男女の役割分担は多くの民族にみられる現象だが、文化により様々なパターンがある。文明の近代化や社会の役割分担の細分化(→分業)に伴って、家庭によって男女の役割分担は固定的なものではなくなってきている。 こういった家庭状況の変化の中では、緩やかであったにせよ共働きや保育園などの育児機能の外注化などもあり、また加工食品や家電製品の発達は、家事労力の軽減と女性の社会進出を促してもいる。その一方で教育を含む家庭の維持コストは、社会の近代化・生活の文明化に従って上昇する傾向も顕著で、こちらは出費という圧力で共働き傾向を促しているとも言えよう。 「愛妻家」とする場合、旧来は専業主婦家庭で夫が妻に対してその利便を図るという意味ではあったが、こういった社会状況の変化の中で共働き家庭が増加すると、公平な家事の分担などで双方が同程度に稼げるようにするなどの、家庭維持に掛ける労力配分の平均化も発生している。ただ、家事分担に際しては依然として「女性がすべき」などの価値観もあり、こちらは男女共同参画社会やジェンダーフリーなどの観点で論争ともなっている。 ジェンダーフリー論関連に関してはそれらの項に譲るとして、愛妻家は言い換えれば前時代的な家庭と社会という役割分担に於いて、主婦が家庭を維持しやすいよう便宜を図る夫である。余録ではあるが三洋電機が洗濯機を販売する際、当時はまだ高価だったこれら家電製品を売る上で、まず実演をして買物帰りの主婦らなどにアピールして、その主婦を通して間接的に愛妻家の購買意欲を掻き立てる戦術を取って、成功している(→電器店#街の電器屋さん)。またかつてナショナル(現パナソニック)家電ブランド中、洗濯機・衣類乾燥機のシリーズ名(一部は食器洗い機)に「愛妻号」が使われていた。
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