悠の保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 22:18 UTC 版)
「悠 (人工鰭のウミガメ)」の記事における「悠の保護」の解説
悠は、2008年6月25日に紀伊水道海域で漁網にかかったことによりみつけられたアカウミガメである。捕獲時の悠は、体重約68キロ、推定年齢20歳の未成熟な個体であった。愛称の「悠」は11月16日に公募で決められた。 悠は発見直前にサメに襲われたらしく、両前肢が大きく欠損し、右前肢の約3分の1、左前肢の約2分の1が無い状態で、出血もあり、腹部にも幾つかのサメの歯型とみられる怪我を負っていた。悠は漁師に助けられ、NPO法人日本ウミガメ協議会・会長で、東京大学・客員准教授の亀崎直樹の元に連絡が入った。翌6月26日に、悠は神戸市立王子動物園に運び込まれ、止血などの治療をうけ、神戸でウミガメを保護する場所となっている神戸空港島西側(西緑地)人工ラグーンの「人工海水池」(神戸市中央区)に収容された。 その後、悠の傷は癒えた。ウミガメはヒレの再生能力が無いため、ヒレの欠損した部分はそのままである。ウミガメは11月頃、海水温が20度以下になると大阪湾より太平洋へと移動するため、悠を人工池で保護できるのは12月頃までであり、通常の場合、協議会に保護されたウミガメは再び海へ放流されるが、前ヒレの欠損した悠は遊泳力が通常個体の6割程度と不足しており、このため以後、人道的見地から保護が続行されることになった。 悠が保護されて半年後の12月になり、人工池の海水温が下がったため、“避寒”(越冬)のために、12月13日、日和佐うみがめ博物館(うみがめ博物館カレッタ:徳島県美波町)へと移送された。
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