急性期の副反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:11 UTC 版)
「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「急性期の副反応」の解説
HPVワクチン接種時の、頻度の高い副反応(報告数の20%以上)としては急性期のショック、アナフィラキシーが知られる。多くは、局所の疼痛、発赤、腫脹、全身性の疲労、筋痛、頭痛、胃腸症状(悪心、嘔吐、下痢、腹痛等)、関節痛がある。頻度の低い副反応(20%以下)としては発疹、発熱、蕁麻疹が見られている(いずれもサーバリックスの日本報告による[要文献特定詳細情報])。 重度の疼痛は接種者の6%が経験する。疼痛は2価ワクチンで強い。海外で行われている予防接種は筋肉注射が一般的であるのに対し、日本で行われている予防接種の多くは注射時疼痛が強い皮下注射である。皮下注射は疼痛面で不利であるが、薬剤が緩徐に吸収されるメリットがある。HPVワクチンは、水痘ワクチン、肺炎球菌ワクチンなどと共に、筋肉内注射で投与される。筋肉注射は、刺激の強い薬物でも注入でき、皮下注射より薬物の吸収が速いという特徴がある。 HPVワクチンのpHと、食塩に対する浸透圧比はそれぞれ、2価サーバリックスはpH 6.0-7.0、約1.0、4価ガーダシルはpH 5.7-6.7、約2.0である。 その他に、どのワクチンも接種後に、注射による一時的な心因性反応を含む血管迷走神経反射性失神が現れることがある。失神による転倒を避けるため、予防接種後30分程度は座らせた上で、被接種者の状態を観察することが望ましい。 アメリカ合衆国では、どのワクチンでも予防接種後15分間は、座位を保つことが推奨されている。 サーバリックスの初期の製品にある、シリンジキャップ及びプランジャーには、天然ゴム(ラテックス)が含有されていたため、ラテックス過敏症のある被接種者において、ラテックスアレルギーが出現する可能性があった。同様の容器を使ったワクチンに共通した問題であったが、2011年までに天然ゴムが含まない素材に変更された。
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