忠臣蔵と落語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/14 07:48 UTC 版)
オチの「ウム、待ちかねた」は、なかなか舞台まで出てきてくれない團蔵を待ちかねていた淀五郎の口から漏れた言葉だが、これは『仮名手本忠臣蔵』で判官と由良助が交わした最後の言葉、「由良助か」「ハハッ」「待ちかねたわやい」にかかっている。切腹を申し渡された判官は、家老の由良助が来るまではと待つが、由良助はなかなか現れない。もうこれ以上は待てないと、判官が無念のうちに小刀を腹に突き立てたそのときに、由良助は息切れぎれにその場に駆けつける。この劇的な場面に由来する成句が「遅かりし由良之助」で、ちょっと昔の人なら誰でもこれを知っていた。ここで本作の観客は言外に言い含められた「遅かりし由良之助」にニヤリとするように仕向けられているのである。 歌舞伎の人気狂言である『忠臣蔵』を題材とした落語は非常に多い。『忠臣蔵』が広く知られていることを示している。代表的な演目には「四段目」(上方では「蔵丁稚」)・「七段目」・「質屋芝居」と狂言の一幕そのものを諧謔化したもの、「中村仲蔵」のような芸談を題材としたもの、「二八浄瑠璃」「辻八卦」など噺の一部に使用されているもの、「天川屋義平」などのバレネタもの、などに分類される。
※この「忠臣蔵と落語」の解説は、「淀五郎」の解説の一部です。
「忠臣蔵と落語」を含む「淀五郎」の記事については、「淀五郎」の概要を参照ください。
- 忠臣蔵と落語のページへのリンク