心理学の実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 02:49 UTC 版)
「セオドア・カジンスキー」の記事における「心理学の実験」の解説
カジンスキーは大学2年生の時に、ある心理学の実験に被験者として参加していた。それはハーバード大学の心理学者ヘンリー・マレー(英語版)が指導していた研究で、作家のオールストン・チェイスの表現を借りれば「あえて残酷になる心理実験」であった。被験者は、個人的な哲学について同級生とディベートすることになると告げられ、自分の信条や夢を小論文にして詳しく書くように言われる。この小論文は匿名の弁護士にまわされ、続くセッションではこの弁護士が敵役にまわって、被験者を侮辱するのである。「激烈で、草の根も生えないほど、人格的な欠点をあげつらう」攻撃が、小論文に書かれた内容を武器に使って行われ、その間の被験者の反応が電極によってモニターされた。このときの様子は録画され、怒ったり逆上する姿が被験者の前で繰り返し再生された。この実験は3年間続いたが、その間は週に一度誰かがカジンスキーを言葉でけなしたり辱めた。カジンスキーがこの実験に参加した時間は200時間に及ぶ。 カジンスキーの弁護人は、彼がマインドコントロール技術に向けた敵意の原因をこのマレーの実験に求めている。マレーの実験がCIAの洗脳技術研究計画MKウルトラの一環であったことについては、複数の資料がある。作家のオールストン・チェイスなど、この実験がカジンスキーの犯行の動機につながったという意見を持っているものもいる。
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