心理学における諸見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 14:09 UTC 版)
ポジティブ心理学の研究者達は、人生の満足 、活動への全面的関与、自分の個人的な強みを用いて十分に貢献すること、自分より大きいものに関わる意味、などをもたらす実証可能な要因について研究している。 フローの経験についての大規模データを用いた研究が一貫して示していることによれば、人間の経験の意味ややりがいは、困難な課題を達成したときに感じられるものであり、課題の単なる選択よりも、その課題への取り組み方や遂行の仕方に由来する経験が大きく影響する。例えば、フローの経験は、強制収容所で自由がほとんど無い囚人にも、得られることがある。それは億万長者が得るよりも、わずかだが頻度が高い。古典的な例としては、 工場のラインでうんざりする仕事をする2人の労働者を挙げることができる。1人は退屈で嫌な仕事と考え、他の1人は仕事をどのくらい速くできるかというゲームと捉えてフローの経験を得た。 最近の研究によれば、人生の意味の有無は、身体的健康の予後をよく予見するとのことである。つまり、人生に大きな意味を見出している人ほど、アルツハイマー病になるリスクが低下し、 冠動脈疾患を持つ人に起きる心臓発作のリスクが低下し、脳卒中のリスクが低下し、 アメリカと日本の調査において長寿の人が増えたのである。そもそも生きがいなどないという意見もあるが、ハーバード大学医学部によれば、人生の意味を見出すことは、認知機能の向上やストレスの軽減など、人間の健康にとって非常に有益なことであり、ぜひとも行うべきことなのだそうである。
※この「心理学における諸見解」の解説は、「人生の意義」の解説の一部です。
「心理学における諸見解」を含む「人生の意義」の記事については、「人生の意義」の概要を参照ください。
- 心理学における諸見解のページへのリンク