微生物への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 16:32 UTC 版)
2-ピリドンは土壌中で微生物によってすみやかに分解され、その半減期は一週間未満である。2-ピリドンを炭素・窒素源またはエネルギー源として利用できる生物が、多くの研究者によって確認された。最も大々的に研究されたのはグラム陽性菌で放線菌の一種であるアルスロバクター・クリスタロポイエテス (Arthrobacter crystallopoietes) であり、 そのほか多くの有機体が2-ピリドンを炭化水素、カルボン酸、ヒドロキシピリジンなどに分解させることがわかった。2-ピリドンの分解はモノオキシゲナーゼの攻撃により始まり、2,5-ジヒドロキシピリジンのようなジオールを生成し、これはマレイン酸経路を通じて代謝される。環の切断は2,5-ジヒドロキシピリジンモノオキシゲナーゼの働きを促進し、マレイン酸経路を通じてニコチン酸の代謝にも関与する。Arthrobacter crystallopoietesの例では、少なくとも分解経路の一部がプラスミドを媒介としていた。ピリジンジオールは明瞭な色素を形成するために溶液中で化学的輸送を行う。似たような色素がキノリンの分解で確認されているが、黄色色素が多くはピリジン溶液の分解で報告されていて、これらの溶媒の存在下でリボフラビンからの無置換ピリジンまたはピコリンの過剰生産が原因である。一般に、ピリドン、ジヒドロキシピリジン、ピリジンカルボン酸の分解はふつうオキシゲナーゼに媒介され、ピリジンの分解はそうではない。
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