微生物への毒性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/30 16:58 UTC 版)
Lactobacillius rhamnosusなどの乳酸生成菌やVibro fischeri, Escherichia coli, Pichia pastoris, Bacillus cereusなどに対する毒性が調べられている。いずれも上記のメカニズム通り、イオン液体のカチオンのアルキル鎖が長いほど指数関数的に毒性が増す傾向がみられている。Escherichia coliに対して、イオン液体と有機溶媒の毒性比較も実施されており、いくつかの代表的な値を記す。例えば、1-ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate ([C2mim]BF4) が強く毒性を示す濃度(EC50 : 値が低いほど毒性が高い)は35,000 mg/L、1-hexyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide ([C6mim][NTf2]) のEC50は150 mg/Lであり、イオン液体種ごとの毒性は大きく異なった。その一方で有機溶媒においても、EC50は様々であり(ジメチルスルホキシド : 約63,000 mg/L、エタノール : 約16,000 mg/L、アセトン : 約11,000 mg/L、エチルベンゼン : 約50 mg/L)、一概にどちらが高い、と言うことはできない。以上のことより、イオン液体の毒性は多様であり用途に適したイオン構造を選択することが重要である。
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