御休所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 16:02 UTC 版)
御休所(ごきゅうしょ)は、竣工当時は御便殿(ごびんでん)と呼ばれ、帝国議会の開院式や閉院式といった行事のために議事堂に行幸した天皇が「御休息」するために造られた。現在は国会の開会式などで議事堂に臨御した天皇が休息する場所として使われている。中央広間から赤絨毯の中央階段を上った先にある。天皇の玉座のテーブルがL字型なのは、軍服着用時に帽子を置く場所であった戦前の名残である。天皇はここで衆参両院の議長、副議長の表敬を受けてから、参議院議場での開会式に臨む。総工費の一割を費やしたとされる部屋の造作は、総檜造の本漆塗、外側の上部の飾り部分は徳島県阿南市産の不如帰という石を使用するなど材質や装飾は議事堂の中でも特に匠を凝らした華やかなものとなっている。また、シャンデリアは水晶でできている。なお、天皇専用のトイレが御休所の斜め前にあり、中には洋式と和式のトイレがそれぞれある。天皇は国会に行幸する際、皇居より前後を白バイ、パトカー、皇宮護衛官と警視庁警察官の乗車したオープンリムジンに警護されて往復する。衛視はこの日に限り、夏は白の礼服、冬は黒の礼服で奉迎する。御休所の窓からは、ビルによって視界が遮られる前までは富士山が見えたという。 国会議事堂の内装の多くは内外木材工藝株式会社が手がけているが、御便殿の内装は特別な検査に合格した素材を使うなど、特に手間がかけられている。
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