後世での反響と残した影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 18:40 UTC 版)
「カーリダーサ」の記事における「後世での反響と残した影響」の解説
多くの学者がカーリダーサの作品に評論を寄せている。特によく研究されたものとして15世紀、ヴィジャヤナガル王国のデーヴァ・ラーヤ2世の治世に記されたマッリナータ・スーリ(英語版)の評論が挙げられる。現存している評論の多くは10世紀の学者ヴァッラバデーヴァ(Vallabhadeva)によるものと考えられている。バーナバッタ(英語版)、ジャヤデーヴァ、ラージャシェーカラ(英語版)といった著名なサンスクリット文学の詩人たちもカーリダーサに惜しみない賛辞を送っている。また、有名なサンスクリットの詩(Upamā Kālidāsasya...)はカーリダーサの比喩表現の巧みさを詠っている。著名な評論家、アーナンダヴァルダナ(Anandavardhana)はカーリダーサは古今随一のサンスクリットの詩人であると讃えている。 前近代にカーリダーサの作品に寄せられた評論のうち出版されているものはごく一部にすぎない。これらのカーリダーサの作品に寄せられた注釈からは、彼の作品が時代とともに変化してきた様子がうかがえる。それは手書きによるコピーや、おそらくは口承文学としての作品と、文献として記された作品との競合によるものだと考えられる。 カーリダーサのアビジュニャーナシャクンタラーは、ヨーロッパにおいて知られるようになったインド文学作品としては最も初期のものである。この作品は英語に翻訳された後に、英語からドイツ語へと翻訳された。そしてこの作品はたとえばヘルダーやゲーテといったドイツの詩人たちの好奇心を掻き立てた。 カーリダーサはサンスクリット文学、あるいはインド文学に大きな影響を与えてきた。ラビンドラナート・タゴールもその一人であり、タゴールの雨を詠った詩にはメーガ・ドゥータのロマンティシズムを見ることができる。カーリダーサの戯曲は18世紀後半から19世紀前半にはヨーロッパ文学にも影響を与えた。文学界にとどまらず、たとえばカミーユ・クローデルの彫刻、「シャクンタラー」からもカーリダーサの影響をうかがうことができる。
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