彗星活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 14:33 UTC 版)
「ベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星」の記事における「彗星活動」の解説
2014 UN271の彗星活動は、南アフリカのサザランド (Sutherland) にあるラスクンブレス天文台(英語版)の望遠鏡で観測を行った Tim Lister と、ナミビアにある SkyGems Remote Telescope で観測を行った Luca Buzzi によって初めて報告された。2014 UN271は彼らの観測で予測されていた明るさより1等級明るく見え、幅が最大で15秒角に達して見えるわずかに非対称なコマを持つことが判明した。このとき彗星は、太陽から約 20.2 au(約 30億 km)離れていた。彗星活動の検出は小惑星センターによって確認され、2021年6月24日にこの彗星を正式に C/2014 UN271 (Bernardinelli-Bernstein) と命名した。 アメリカ航空宇宙局 (NASA) のトランジット系外惑星探索衛星 (TESS) のアーカイブ画像分析から、ベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星は太陽から約 23.8 au(約 36億 km)離れていた2018年9月の時点で少なくとも43秒角に及ぶ広大な拡散状のコマを持っていたことが分かっている。2018年から2020年までのTESSによる観測期間の間に、彗星の明るさは1.5等級明るくなっており、これは自発的なアウトバーストではなく、継続的な彗星活動による結果である可能性がある。 また、他の望遠鏡データセットによる再調査でも2017年(太陽から約 25.1 au)からのダークエネルギーサーベイによる画像と2019年(太陽から約 22.6 au)からのPan-STARRS 1望遠鏡による画像から、明確で非対称なコマの存在が確認された。ベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星のコマの明るさは2017年以降、指数関数的に明るくなっているが、彗星の全体的な明るさは2014年から2018年まで安定しており、太陽から約 29.0 au 離れた地点で発見される前に活動が始まっていた可能性が示されている。これほど日心距離 (Heliocentric distances) が大きいにも関わらず彗星活動が観測される例は稀で、日心距離が 20 au を超えた地点で彗星活動が観測されていたのはヘール・ボップ彗星(約 27.2 au)、ボアッティーニ彗星 (C/2010 U3)(英語版)(約 25.8 au)、パンスターズ彗星 (C/2017 K2)(英語版)(約 24.0 au)の3例のみである。2022年時点で、ベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星は太陽系内で最も太陽から遠い距離で彗星活動が確認された記録を持つ彗星である。 2022年1月には、ハッブル宇宙望遠鏡による観測が行われている。
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