彗星との類似点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 05:52 UTC 版)
「ケンタウルス族 (小惑星)」の記事における「彗星との類似点」の解説
1988年と1989年に近日点付近で観測されたキロンは、コマを示していることが確認された。そのため、現在では正式に彗星と小惑星の両方に分類されているが、一般的な彗星よりもはるかに大きく、論争が続いている。他のケンタウルス族も彗星のような活動をしていないか監視されているが、これまでエケクルスと166P/NEATの2つがそのような活動を示している。166P/NEATはコマの状態で発見されたため、軌道はケンタウルス族のものであるが、彗星に分類されている。エケクルスはコマがなかったが、最近になって活動的になったため、現在では彗星と小惑星の両方に分類されている。ケンタウルス族全体では、彗星活動が検出されている天体は30個程度で、近日点距離の近い小さな天体に偏っている。 エケクルスとキロンでは、一酸化炭素がごく微量ながら検出されており、その結果、観測されたコマを説明するのに十分なCO放出率が算出された。エケクルスとキロンのCO放出率は、ケンタウルス族に分類されることが多いもう一方の遠方活動彗星であるシュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星で一般的に観測されているよりもかなり低い値である。 ケンタウルス族と彗星の間には明確な軌道の区別はない。シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星とオテルマ彗星 (39P/Oterma) は、どちらも典型的なケンタウルス族の軌道を持っているためケンタウルス族に分類されてきた。オテルマ彗星は、1963年に木星の摂動でケンタウルス軌道に移る前までは彗星として活動していたが、現在は活動を見せていない。暗いステファン・オテルマ彗星は、近日点距離が木星軌道 (5.2 au) を超えてしまうとコマを見せなくなると考えられている。2200年までにゲーレルス彗星(英語版) (78P/Gehrels) は、より外側に移動して、ケンタウルス族のような軌道へ移るだろうと考えられている。
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