式辞と開会宣言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 01:41 UTC 版)
「オリンピックの式典」の記事における「式辞と開会宣言」の解説
開会式と閉会式に行われる式辞は、IOC会長と開催都市のオリンピック組織委員会の会長が行う。憲章で式辞を述べることを許されているのは、この2名だけである。 憲章により、式辞の最後で、IOC会長は開催国の国家元首に開会宣言の要請を行う。開会宣言はIOC会長の要請により、開催国の国家元首によって行われる。ただし、憲章ができる前には閣僚や有力者が、国家元首が出席できない場合は国家元首に準ずる人物(副大統領など)が、開会宣言を行ったことがある。日本の場合は日本国憲法に国家元首に関する条文・規定が存在しないが、内閣総理大臣ではなく天皇が開会宣言を行うのが慣例となっている。 開催時期により宣言の内容は変わる。夏季オリンピックの場合 わたしは、第......(オリンピアードの番号)回近代オリンピアードを祝い、......(開催地名)オリンピック競技大会の開会を宣言します。」 冬季オリンピックの場合 私は(開催都市名)における第...... (オリンピック冬季競技大会の番号) 回 オリンピック冬季競技大会の開会を宣言します」 原文はフランス語および英語(フランス語版が英語版に優先する)であるが、開会宣言を行う者の母語へ翻訳する場合、IOCの承認があればニュアンスを変更することが認められている。2021年の東京大会では新型コロナウィルス感染症の影響を考慮し、「celebrating」を「祝い」から「記念」と言い換えている。ただし、そもそも宣言者が「祝う」というJOCによる日本語訳は誤訳であり、『第xx回近代オリンピアードを「記念する」〜大会』という2021年大会の訳文がフランス語版に即していることが指摘されている。 オリンピックでは、全ての式典・全ての会場で、政治家はいかなる演説も行ってはならないと定められている。2002年に開催されたソルトレークシティ五輪では、ブッシュ大統領は開会宣言で「誇り高く、優雅なこの国を代表して、第19回オリンピック冬季競技大会ソルトレークシティ大会の開会を宣言します」と政治的色彩のある言葉を付け加えて開会宣言を行い、IOC副会長が批判するなど各方面で反発を招いた。
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