建築3次元CAD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:45 UTC 版)
日本の住宅や比較的低層の建物に特化したものとして、市販のメーカー建材の価格や仕様の情報までをモデル内に取り込んで設計図から構造計算、積算まで作成する製品が存在する。基本的に、部屋名に対し高さや仕上げの仕様を登録したデータベースと、3次元のモデルと2次元の姿図・詳細図・断面図等がパック化された建具・建材・住宅設備・家具・部品等のデータベースから構成され、方眼紙を模した画面(平面図)上に部屋や建具・部品をパズルのように割り付けるオペレーションを採用している。これにより作業の単純化を実現している。 BIMがモデル内のオブジェクト自体に規格化された情報(仕様)を内包し、ライフサイクルにおけるデータの再利用を担保しているのに対し、建築3次元CADは、情報(仕様)は各々の製品内で保持しているため、製品ごとあるいはライフサイクルにおけるデータの再利用は、ごく一部の情報に限られている。このような特性の違いから、BIMが比較的自由なモデリングを可能にしているのに対し、建築3次元CADは作業の単純化とのトレードオフで定型的なモデリングに限られ、デザイン上の制約が多い。 殆どの製品は平面図と3次元モデル(パース)については相互に連携しているが、一旦立面図や矩計図などに変換してしまうと、設計変更で各図面上で再編集をしても元の3次元モデルには反映しない。これは3次元モデルから2次元の図面に変換される際にベクトルデータに処理され、元の3次元データとのリンクが切れてしまうためである。これらの製品を使用する場合、図面ごとの「整合性」のチェックは従来のJw_cad等の2次元CADと同等の生産性(目視による確認)に落ちることになる。2020年現在、この問題を回避(3次元モデルと2次元データの相互連動)に対応しているのは、福井コンピュータアーキテクト社のARCHITREND ZEROがある。
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