幻の映画出演とは? わかりやすく解説

幻の映画出演

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 11:22 UTC 版)

園井恵子」の記事における「幻の映画出演」の解説

無法松の一生』のあと、大映において松田定次監督で『乞食大将』の製作が決まった際、女主人公配役難航していた。たまたま大映企画部顔を出した稲垣浩がこの話を聞いて園井さんがいいんじゃない」と推薦し片岡千恵蔵らもこれに同意。さっそく出演依頼のため園井探したが、すでに桜隊巡業出た後で巡業先も掴むことができず、結局主人公中村芳子回された。 また、山本嘉次郎園井主役起用しようとしていた。『無法松の一生』での園井芝居感心した山本は、園井への当て書き脚本用意した上で出演交渉図ったが、当時園井東京いたものの、桜隊所属だったことから住所把握している者が少なく居場所突き止められないまま2か月過ぎたあきらめかけた山本原節子役を振り替えようとしたが、ちょうどそのころ園井が「空襲激しいときに長い旅行(巡業)をするのは嫌だから、何か映画出演の口はないか」と東宝撮影所訪れる。事務は「今は特にない」断ってから、山本に「園井恵子さんが見えてますが、何かご用はありませんか」と確認に来た。山本は「ありませんかどころじゃない」と大あわて園井会おうとしたが、すでに園井撮影所を後にしており、結局掴まえることはできなかった。園井その夜に再び桜隊巡業に出、山本やむなく原節子起用することになったが、この映画快男子』は撮影中に終戦迎えたため破棄された。 戦後山本は「たった5分の違いで、あたら天下名優二人殺してしまった」と妻・千枝子に事の顛末語ったが、その出来事があった当時千枝子仕事打ち合わせのため、園井東京寄宿していた河崎なつ宅を毎日のように訪れており、園井とも頻繁に顔を合わせていた。園井ファンだった千枝子は「ほんとうに惜しいともなんとも……なぜひとこと言ってくださんなかったんでしょうね」と恨み言漏らしたといい、山本は「運、不運などというものをこのときぐらいつくづくと、恐ろしく思ったことはない」と述懐している。

※この「幻の映画出演」の解説は、「園井恵子」の解説の一部です。
「幻の映画出演」を含む「園井恵子」の記事については、「園井恵子」の概要を参照ください。

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