常時10人以上の労働者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 04:25 UTC 版)
「常時10人以上」とは、事業場単位で、一時的に10人未満になることはあっても常態として10人以上の労働者を使用していることをいう。企業単位で10人に達していても、事業場ごとに見て10人に達しない事業場は作成届出の義務は生じないが作成したときはそれも就業規則として法の規制(第91条から93条)を受ける。派遣労働者については、派遣中の労働者とそれ以外の労働者(派遣会社の事務所で働く労働者などのこと)とを合わせて常時10人以上の労働者を使用する派遣元の使用者である(昭和61年6月6日基発333号)。 第89条・第90条でいう「労働者」には、その事業所で使用するすべての労働者をいい、正社員だけでなく、臨時的・短期的な雇用形態の労働者も含まれる。作成は企業単位ではなく事業場ごとに作成する必要がある。もっとも、就業規則は企業全体で統一的に運用する必要があるので、実際には本社で作成・意見聴取した就業規則を各事業場の所轄行政官庁に届出ている。本則となる就業規則のほかに、事業場の一部の労働者についてのみ適用される別個の就業規則を作成することは、均等待遇(第3条)に違反しない限り、差し支えない。この場合、当該2以上の就業規則を合わせたものが労働基準法上の就業規則となり、それぞれが単独に就業規則になるのではない(昭和63年3月14日基発150号)。 雇用する労働者が10人未満の企業や個人事業主であっても作成・届出が望ましい。実態として、東京中小企業家同友会の会員調査(2018年4月)によると、従業員6人以上だとほぼ全社が整備済みなのに対して、5人以下の零細企業では63%が未作成であった。
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