帯広叢書
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アイヌの研究者であった吉田巖が整理・収集した資料を伝えるために刊行されている叢書である。吉田は教員としてアイヌ児童を教えるかたわら、赴任地域のアイヌ文化や郷土史を調べ膨大な記録や資料を残した。調査成果は吉田自身によって学術雑誌などで発表されるとともに、その草稿や資料が帯広市教育委員会によって編纂され、1955年から「帯広市社会教育叢書」として発刊された。吉田が高齢になったことから、1960年12月の第6巻発行をもって刊行が中断されたが、1963年の吉田の没後、遺された資料(以下、「遺稿資料」)の多くは遺族らの厚意によって帯広市に寄贈された。「遺稿資料」は帯広市図書館が保管することとなり、1964年から叢書の発行が再開された。1972年の第16巻からは「帯広叢書」に改題された。年1回程度の発行を続け、2013年3月には第65巻が発行されている。アイヌの文化・歴史の分野において、個人が遺した記録・関係資料を継続的に整理・刊行している数少ない取り組みの一つである。
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