布の破壊強度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/02 04:35 UTC 版)
データは、標準製法および異なる3種類の化学プロセスによって処理された布の破壊強度の測定値を表わしている。 破壊強度 (lbs.)標準プロセス1プロセス2プロセス3 55 55 55 50 47 64 49 44 48 64 52 41 平均50 61 52 45 分散19 27 9 21 ここで、p = 3、N = 3である。平均分散は s 2 = 19 {\displaystyle s^{2}=19} であり、これは自由度 (p+1)(N-1)=8 の4組の共通分散の推定値である。 平均分散は以下のように計算できる。 55 2 + 47 2 + 48 2 + 55 2 + . . . + 41 2 − 3 ( 50 2 + 61 2 + 52 2 + 45 2 ) 8 = 152 8 = 19 {\displaystyle {\frac {55^{2}+47^{2}+48^{2}+55^{2}+...+41^{2}-3(50^{2}+61^{2}+52^{2}+45^{2})}{8}}={\frac {152}{8}}=19} . 標準偏差は s = 19 = 4.36 {\displaystyle s={\sqrt {19}}=4.36} 、2つの平均間の差の推定標準誤差は s 2 N = 4.36 2 N = 3.56 {\displaystyle s{\sqrt {\frac {2}{N}}}=4.36{\sqrt {\frac {2}{N}}}=3.56} である。信頼限界を与えるために、観測された平均間の差に加えるあるいは差し引かなければならない量はテューキーによって「allowance(許容量)」と呼ばれており、式 A = t s 2 N {\displaystyle A=t_{s}{\sqrt {\frac {2}{N}}}} で与えられる。値tは片側検定の場合はダネットの表1から、両側検定の場合はダネットの表2から得られる。p = 3、自由度 = 8の場合、p=95%でのt値は、片側検定では t = 2.42、両側検定では t = 2.88である。片側検定の場合、「許容量」はA=(2.42)(3.56)=9であり、実験者は以下のように結論できる。 プロセス1を用いた破壊強度は標準製法によるものを少なくとも 61 − 50 − 9 = 2 l b s {\displaystyle 61-50-9=2lbs} 上回る。 プロセス2を用いた破壊強度は標準製法によるものを少なくとも 52 − 50 − 9 = − 7 l b s {\displaystyle 52-50-9=-7lbs} 上回る。 プロセス3を用いた破壊強度は標準製法によるものを少なくとも 45 − 50 − 9 = − 14 l b s {\displaystyle 45-50-9=-14lbs} 上回る。 上記の3つの結論が統合された記述は95%の信頼係数を持つ。すなわち、長期的には、このような統合された記述の95%が実際に正しい。これらの差に対する上方限界は類似したやり方で得ることができる。両側限界では、許容量はA=(2.94)(3.56)=11であり、実験者は以下のように結論できる。 プロセス1を用いた破壊強度は標準製法によるものを少なくとも 61 − 50 − 11 = 0 l b s {\displaystyle 61-50-11=0lbs} と 61 − 50 + 11 = 22 l b s {\displaystyle 61-50+11=22lbs} の間の量だけ超える。 プロセス2を用いた破壊強度は標準製法によるものを少なくとも 52 − 50 − 11 = − 9 l b s {\displaystyle 52-50-11=-9lbs} と 52 − 50 + 11 = 13 l b s {\displaystyle 52-50+11=13lbs} の間の量だけ超える。 プロセス3を用いた破壊強度は標準製法によるものを少なくとも 45 − 50 − 11 = − 16 l b s {\displaystyle 45-50-11=-16lbs} と 45 − 50 + 11 = 6 l b s {\displaystyle 45-50+11=6lbs} の間の量だけ超える。 これら3つの記述に対する統合された信頼係数は95%を超える。
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