市役所による個人情報漏洩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 17:32 UTC 版)
「逗子ストーカー殺人事件」の記事における「市役所による個人情報漏洩」の解説
2014年1月24日、加害者の男が依頼した興信所から、さらに調査依頼を受けた興信所の実質的経営者が、調査に不正な手段を用いたとして有罪判決を受けている。この人物は被害女性の住所を聞き出すため、事件前日の2012年11月5日に被害女性の夫を装って逗子市役所に電話をかけ「家内の税金の支払いの請求が来ているが、住所が間違っていないか」などと質問し、応対した市役所職員に被害女性の住所情報を調べるための不要なコンピューター操作をさせた偽計業務妨害容疑で逮捕された。同年2月13日に同罪で起訴。また、ガス会社の契約者情報2件を2013年6月に不正に入手した不正競争防止法違反(営業秘密侵害)罪でも起訴され、2015年1月20日に懲役2年6月執行猶予5年(求刑、懲役3年)の有罪判決が言い渡された。 逗子市役所には被害女性から情報制限が要請されていたが、総務部納税課の職員のパソコンからアクセスすると、閲覧時に警告表示があるだけで閲覧自体はできる状態となっていた。市役所の閲覧記録のIDは60代の納税課再任用男性職員であったが、「離席する場合はログアウトする」などのマニュアルが守られておらず、勤務期間中は常に同一IDでログイン状態になっていた。さらに職員が自席以外のパソコンを操作することも常態化していた。このため複数の職員が操作できる状況にあった。結局、操作した可能性のある担当職員全員が「閲覧した記憶がない」と情報流出を否定したため、どの職員が実際に被害女性の住所情報にアクセスしていたか割り出すことはできなかった。 逗子市は社会的重大性を考慮し、2014年2月28日に納税課再任用男性職員を停職1カ月、男性職員の上司だった元総務部次長納税課長を戒告、平井竜一市長と小田鈴子副市長に減給10%(3カ月)として処分を行った。逗子市の個人情報漏洩について、被害女性の夫は住所を加害者の男に漏らした逗子市に対し、2016年10月25日に守秘義務違反・プライバシー侵害により1,000万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地方裁判所横須賀支部に起こし、横浜地裁横須賀支部は2018年1月15日に逗子市側の過失を認定して110万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
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