巨大地震が発生する場所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 20:18 UTC 版)
M8以上の地震では、一般的に断層長200km以上、かつ断層の食い違いが数メートルに達する。こうした地震が発生しうる場所は地球上でも限定されている。 プレート沈み込み帯とそのアウターライズ(日本海溝、南海トラフ、千島列島、チリ沖など) トランスフォーム型プレート境界のうちその長さが特に長い箇所(サンアンドレアス断層、北アナトリア断層など) プレート運動と直接関連がある大規模な断層(中央構造線、スマトラ断層など) 地殻内のとりわけ大きな断層(根尾谷断層、糸魚川静岡構造線など) 活断層が連続しているか接近しており、同時に破壊が起こりうる箇所(天正地震の地震断層、養老・桑名・四日市および鈴鹿東縁断層帯など) 沈み込んだプレートがメガリス(スタグナントスラブ)を形成する深さ500 - 670km程度の地点(ボリビア深発地震やオホーツク海深発地震の震源域など) 環太平洋などプレート境界周辺で発生する浅い巨大地震は大きく分けて、断層面が約10 - 20°と緩やかに傾斜した低角逆断層の地震と、断層面が約45°の正断層型の地震の2つのタイプに分類される。巨大地震はプレート境界がずれる低角逆断層(東北地方太平洋沖地震、スマトラ島沖地震、チリ地震、宝永地震など)が圧倒的に多く、アウターライズ地震である正断層型(昭和三陸地震など)は少ない。また巨大地震の断層面の長さは短いものでも約100km、長いものは約1000kmに達する。 低角逆断層の地震の断層面は海溝軸よりも陸側に位置し、陸側のプレートが海側のプレートに衝上することにより発生し、その断層面の走向は海溝軸あるいは地震帯の走向に平行である。正断層型の地震は海側のプレート内で断層破壊が発生する。 昨今の日本においては、東海地震に代表されるようなプレート沈み込み帯における百年前後 - 数百年周期の地震のことを指す場合が多い。しかし上記のように、沈み込み帯以外の場所でもM8前後の地震が発生する場合があり、これらも含めて巨大地震と称する。とはいえ数的にはプレート境界型の地震が大半を占める。
※この「巨大地震が発生する場所」の解説は、「巨大地震」の解説の一部です。
「巨大地震が発生する場所」を含む「巨大地震」の記事については、「巨大地震」の概要を参照ください。
- 巨大地震が発生する場所のページへのリンク