島田裕巳の中沢批判
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宗教学者の島田裕巳は『中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて』(亜紀書房 2007年4月)を出版し、苫米地英人、呉智英なども、オウム真理教に関連して中沢批判を発表している。 1996年には、『宝島30』誌上にて「私の中沢新一論」を展開。島田自身は〝異常なバッシング〝によって大学を辞職せざるを得なくなったのに対し、中沢はバッシングを巧みにくぐり抜けることに成功した。しかし、島田が中沢を擁護しないのは、オウム問題に対する中沢の姿勢に対して疑問を感じることに根差すと述べ、中沢が単なる噂や憶測に基づく怪情報を蔓延させた点を挙げている。その一つとして、中沢が「実行犯の大半が、北朝鮮の被差別部落出身」「林(郁夫)さんもそうだし。石井久子も」といった噂を多くの場所で繰り返し説いていた点で、島田は四方田犬彦が中沢の差別問題に対する鈍感さに驚き、「いったい中沢はどうしたんだ」と問いかけてきたことを挙げている。さらに、中沢がチベット密教をはじめとする宗教全般に造詣が深く、中央大学の教授を務めているからといって、知的な権威として崇め奉ったり、その発言を真実として受け止める必要はなく、むしろ中沢自身も自分の発言を知的な権威が発したと受け取る世間に対し、違和感を持っているはずだと述べ、さらに中沢は『諸君!』誌上にて浅田彰との対談で、「笑いのために書かれた本が、生真面目に誤読されてしまう不幸はドン・キホーテの昔から、防ぎようのないことです」と発言した内容を引用し紹介している。
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