小島嶼開発途上国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/25 20:03 UTC 版)

小島嶼開発途上国(しょうとうしょかいはつとじょうこく)とは、太平洋・西インド諸島・インド洋などにある、領土が狭く、低地の島国のこと。英語では、Small Island Developing States"と表記し、"SIDS"と省略表記する。国連にて、39の主権国家(2つの国連非加盟国を含む)と18の自治領・非独立地域を認定している[1]。
小島嶼開発途上国は小島嶼国連合(AOSIS)という国際機関を設立しており、2024年12月現在、40ヶ国の小島嶼開発途上国のうちバーレーンを除くすべての国が小島嶼国連合に加盟している[2]。
概要

小島開発途上国は、小さな島で国土が構成されるため、気候変動・地球温暖化による海面上昇の影響や、少人口、自然災害など島国固有の脆弱性のために、持続可能な開発が困難だとされる[3]。
小島嶼開発途上国は、持続可能な開発において、各国に共通の問題を抱えている。
- 人口が少ない。
- 資源に乏しい。
- 他国(SIDSでない)から遠い。
- 自然災害に襲われやすい。
- 国際貿易に過度に依存している。
- 国際開発に対して脆弱である。
- 市場規模が小さい。
- 輸送費と通信費が高い。
- 行政とインフラの住民1人あたりのコストが高い。
国・地域
2024年現在、国連経済社会局(UN DESA)が、小島嶼開発途上国として以下の39の主権国家(2つの国連非加盟国[注 1]を含む)と18の自治領・非独立地域を挙げている[1]。これらの国および地域は地理的にカリブ海諸国、太平洋諸国、大西洋・インド洋・南シナ海諸国 (AIS) の3地域に分類され[4]、それぞれカリブ共同体、太平洋諸島フォーラム、インド洋委員会などの地域共同体の参加国となっている。
- カリブ海諸国
アンギラ[注 2][注 3][注 4]
アンティグア・バーブーダ
アルバ[注 2][注 4][注 5]
バハマ
バルバドス[注 6]
ベリーズ[注 7]
イギリス領ヴァージン諸島[注 2][注 3][注 4]
キューバ[注 8]
ドミニカ国
ドミニカ共和国[注 5]
グレナダ
ガイアナ[注 9]
ハイチ[注 10]
ジャマイカ
モントセラト[注 2][注 4]
オランダ領アンティル[注 11][注 5][注 4]
プエルトリコ[注 2][注 5][注 4]
セントクリストファー・ネイビス
セントルシア
セントビンセント・グレナディーン
スリナム[注 12]
アメリカ領ヴァージン諸島[注 11][注 8][注 4]
- 太平洋諸国
- 大西洋、インド洋および南シナ海諸国 (AIS)
脚注
注釈
- ^ クック諸島およびニウエ
- ^ a b c d e f g h i 小島嶼国連合の参加国でもオブザーバーでもない。
- ^ a b c d 地域協力体の準参加国。
- ^ a b c d e f g h i j k l 主権国家ではない。
- ^ a b c d e f 地域協力体のオブザーバー。
- ^ a b c 先進国とされることもある。
- ^ 主な領土は北アメリカ大陸に位置するが、小島嶼開発途上国として認定されている。英語が公用語の国で、西インド諸島の英語圏の諸国との関係が深い。また、アンバーグリス・キー等島嶼部を領土に含む。
- ^ a b c d e f g h i j 地域協力体の参加国でもオブザーバーでもない。
- ^ 南アメリカ大陸に位置するが、小島嶼開発途上国として認定されている。南アメリカで唯一英語が公用語の国で、西インド諸島の英語圏の諸国との関係が深い。
- ^ a b c d e f g 後発開発途上国でもある。
- ^ a b c d 小島嶼国連合のオブザーバー。
- ^ 南アメリカ大陸に位置するが、小島嶼開発途上国として認定されている。
- ^ 主な領土はアフリカ大陸に位置するが、小島嶼開発途上国として認定されている。同じポルトガルの植民地だったカーボベルデとの関係が深い。また、島嶼部としてビジャゴ諸島を含む。
- ^ アジア四小龍の一国でもあり、先進国とされることもある。
出典
- ^ a b “List of SIDS | Office of the High Representative for the Least Developed Countries, Landlocked Developing Countries and Small Island Developing States”. United Nations. 2024年12月28日閲覧。
- ^ “Member States - AOSIS” (英語). Alliance of Small Island States. 2024年12月28日閲覧。
- ^ “小島嶼開発途上国(SIDS)”. 外務省 (2024年5月15日). 2024年12月28日閲覧。
- ^ “List of SIDS .:. Sustainable Development Knowledge Platform” (英語). United Nations. 2024年12月28日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 外務省:小島嶼開発途上国とは
- About SIDS, United Nations Office of the High Representative for the Least Developed Countries, Landlocked Developing Countries and Small Island Developing States
- List of SIDS United Nations, Office of the High Representative for the Least Developed Countries, Landlocked Developing Countries and Small Island Developing States
- AOSIS Members, Alliance of Small Island States
- SIDS Network Small Islands Development States Network
小島嶼開発途上国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/29 06:08 UTC 版)
「アフリカ・カリブ海・太平洋諸国」の記事における「小島嶼開発途上国」の解説
小島嶼開発途上国と規定されている国には以下の29か国がある。 アンティグア・バーブーダ - バハマ - バルバドス - カーボベルデ - コモロ - クック諸島 - ドミニカ - ドミニカ共和国 - フィジー - グレナダ - ハイチ - ジャマイカ - キリバス - マダガスカル - モーリシャス - ナウル - ニウエ - パプアニューギニア - セントクリストファー・ネイビス - セントルシア - セントビンセント・グレナディーン - サモア - サントメ・プリンシペ - セイシェル - ソロモン諸島 - トンガ - トリニダード・トバゴ - ツバル - バヌアツ
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