導出2:エドワード・ミルズ・パーセルのアプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 08:15 UTC 版)
「ラーモアの公式」の記事における「導出2:エドワード・ミルズ・パーセルのアプローチ」の解説
完全な導出は末尾の出典を参照。ここでは理解の補助となる説明を行う。 このアプローチは光速度の有限性を出発点とする。等速運動を行う電荷は放射の方向に電場 E r {\displaystyle E_{r}} を作り(電荷からの距離 R {\displaystyle R} )、この場は電荷の将来位置から常に発生する。これに垂直な電場はゼロである ( E t = 0 ) {\displaystyle (E_{t}=0)} 。 この将来位置は速度が一定である限りは完全に決定的である。電荷が速度を変えるとき(例えば微小時間のうちに跳ね返るとき)、将来位置は「ジャンプ」し、その瞬間以降、電場 E r {\displaystyle E_{r}} は「新しい」位置から生じるようになる。電場が連続的でなければいけないことから、ゼロでない電場の垂直成分 E t {\displaystyle E_{t}} が現れ、これは(電場の放射方向成分が 1 / R 2 {\displaystyle 1/R^{2}} に比例して減少するのとは異なって) 1 / R {\displaystyle 1/R} に比例して減少する。 よって、電荷から遠く離れた点では E r {\displaystyle E_{r}} は E t {\displaystyle E_{t}} と比べて無視でき、また 1 / R 2 {\displaystyle 1/R^{2}} のように振る舞う場はポインティング・ベクトルが 1 / R 4 {\displaystyle 1/R^{4}} のように振る舞うために放射をし得ない。垂直成分は E t = e a sin ( θ ) 4 π ε 0 c 2 R {\displaystyle E_{t}={{ea\sin(\theta )} \over {4\pi \varepsilon _{0}c^{2}R}}} となる(SI)。ラーモアの公式を得るには、電荷から遠距離 R {\displaystyle R} での E t {\displaystyle E_{t}} によるポインティング・ベクトル S = E t 2 μ 0 c r ^ = e 2 a 2 sin 2 ( θ ) 16 π 2 ε 0 c 3 R 2 r ^ {\displaystyle {\boldsymbol {S}}={E_{t}^{2} \over \mu _{0}c}{\boldsymbol {\hat {r}}}={{e^{2}a^{2}\sin ^{2}(\theta )} \over {16\pi ^{2}\varepsilon _{0}c^{3}R^{2}}}{\boldsymbol {\hat {r}}}} を全角度にわたって積分する必要がある。これにより、 P = e 2 a 2 6 π ε 0 c 3 {\displaystyle P={{e^{2}a^{2}} \over {6\pi \varepsilon _{0}c^{3}}}} が得られる(SI)。数学的には P = μ 0 e 2 a 2 6 π c {\displaystyle P={{\mu _{0}e^{2}a^{2}} \over {6\pi c}}} と同じである。 c 2 = 1 / μ 0 ϵ 0 {\displaystyle c^{2}=1/\mu _{0}\epsilon _{0}} だから、記事冒頭で引用した結果、 P = 2 3 q 2 a 2 4 π ε 0 c 3 = q 2 a 2 6 π ε 0 c 3 {\displaystyle P={2 \over 3}{\frac {q^{2}a^{2}}{4\pi \varepsilon _{0}c^{3}}}={\frac {q^{2}a^{2}}{6\pi \varepsilon _{0}c^{3}}}} が得られる。
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