尊称としての正式な使い方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 15:35 UTC 版)
正式な儀礼において、Sir はナイトないし準男爵(バロネット)の勲位をもつ男性(イギリスの貴族制度において、爵位をもつ貴族のすぐ下に位置づけられる階級)の人物の名(あるいは名の一部)、ないしは氏名全体に付けられるが、姓だけに付けられることはない。ポール・マッカートニーを例にとれば「Sir James Paul McCartney」「Sir Paul McCartney」「Sir Paul」は正しい用法であるが「Sir McCartney」とはしない。また、ナイトに叙されたものを呼ぶ際に「ミスター(Mr.)」は用いないので、ミスター・マッカートニー(Mr. McCartney)にはならない。 女性の場合には、Sir に相当する表現としてデイム(Dame)があり、自身がナイトの栄を受けている女性は、男性の場合の Sir と同様に用い、やはり姓のみの前には付けない。 (自らはナイト等の栄を受けていない)ナイトの妻について用いる尊称については、17世紀以来の実際の用法を追認する形で、また、法廷での手続きに準じて、1917年に修正が加えられており、今日では、ナイトや準男爵の妻は、姓の前に「レディ」Lady を付けて尊称とする。すなわち、再びポール・マッカートニーに例をとれば、その妻は「Lady McCartney」であり、「Lady Linda McCartney」とはしない。 姓名のフルネームに Lady を付けるのは、公爵、侯爵、伯爵など貴族の令嬢や、近年においてガーター勲章やシッスル勲章を受けた女性が、それ以上の爵位などをもっていない場合に限られている。
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