富の分配
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 14:39 UTC 版)
アイルランドが得てきた新しい富は均等に分配されていない。国際連合は2004年に、アイルランドは西側諸国ではアメリカについで格差が大きいという報告をまとめている。政府は全国各地のインフラストラクチャーに資金を投じるために国家開発計画を策定し、また「ゲートウェイ」や「ハブ」の開発を重点的に取り組む国家空間戦略を設定しており、国家空間戦略ではネイス、マリンガー、アスローン、エニスといった町が指定された。 それでもなお格差は解消されていない。政府はバリムン・リジェネレーション・リミテッドに対して、つい1960年までに開発されたダブリン北部にあるバリムン地区の再開発や住民の移転について協力を求め、両者は2004年からバリムン・フラッツの解体に着手した。 アイルランドの富が等しく分配されていないという考え方に対しては、デイヴィッド・マクウィリアムズなどの経済評論家やジャーナリストの間で異論がある。マクウィリアムズは、ある測定方法によればアイルランドは平等性が平均を上回っているとするユーロスタットの統計結果を持ち出している。ところがこの統計では、概してイギリス、地中海諸国、2004年以降に欧州連合に加盟した諸国のような、アイルランドよりも開発が進んでいない国や、あるいは自由市場経済が発達した国よりはましであるという結果が示されているが、スカンディナヴィア諸国やドイツ、フランスといった国と比べるとアイルランドにおける格差ははるかに大きい。さらにアイルランドの格差はほかの統計方法でも示されている。Economic and Social Research Institute (ESRI) が2006年12月に発表したレポートによると、アイルランドは子どもの貧困の水準では富裕26か国中22位となり、またヨーロッパでは2番目に格差が大きい国であるとされた。
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