富と収入の不均衡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 07:54 UTC 版)
ウォディル・キャッチングズ、ウィリアム・トゥルファント・フォスター、レックスフォード・タグウェル、アドルフ・バール(、そして後にはジョン・ケネス・ガルブレイス)といった経済学者はフランクリン・ルーズベルトに幾分かの影響を与えた理論を普及させた。その理論とは、経済が、消費者に十分な収入がないにもかかわらず、消費者が購入できる以上の商品を生産してしまった、というものである。この説によれば、1920年代の賃金の上昇率は生産性の上昇率を下回っていたのである。生産性が増大したことによる恩恵のほとんどは利潤となってしまい、それは株式市場バブルを引き起こしたものの、消費者の購買行動には繋がらなかった。このように、1920年代を通じて富が不平等に分配されたことが世界恐慌を引き起こしたという。 この説によれば、世界恐慌の根本的な原因は、独立企業による賃金・収入の水準が十分な購買力を生み出すに達していないにもかかわらず行われた世界的な過剰投資である。また、政府は富裕層に対する課税を重くすることで収入をより平等にすべきだった、と主張される。政府は、歳入の増加を利用して公共事業を行って雇用を増加させることで経済を「蹴って始動」させられた、という。だがアメリカ合衆国では1932年まで、これとは正反対の経済政策が行われていたのである。大統領退任前年のハーバート・フーヴァーに紹介されフランクリン・ルーズベルトによって採用されることになった<1932年歳入法>や公共事業計画が、購買力を ある程度再分配することに成功したのである。
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