密猟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 09:23 UTC 版)
前述のように19世紀までの乱獲が祟り、本種の捕獲停止は1930年代に独自に決議されたが、日本を含む数か国は会議に欠席しており、実効性は無かった。その後もこれらの国々による捕獲は続き、日本では南東部北海道や厚岸沖での捕獲など、未記載・未報告の記録も含めて相当数が捕獲された。このほか日本は調査捕鯨との名目で数十頭を捕獲した。 その後、1960年代から70年代後半に行われた、当時のソビエト連邦による大規模な違法捕鯨により、更なる世界中の海洋での大型種の激減と生息数回復の停滞を招き、シロナガスクジラ等の一部個体群を消滅、または回復不能にまで追い込むほどであった。ソ連が違法捕鯨で捕獲したジャポニカ種は、判明している限りでも700頭弱に上った。ソ連では鯨油を軍事目的に利用していたため軍事機密であり、当時の連邦の科学者達は監視され、一切の捕獲記録は強制的に破棄され、国際捕鯨委員会には実際の捕獲数よりも遥かに少ない数を報告していたとされる。これらの情報は、連邦崩壊後の2012年に、当時の連邦の科学者達による公開資料で判明した。なお、この違法捕鯨には日本もモニタリング義務を怠り、少なくとも放置および互いの違法捕鯨の機密保持という形での関与が明らかになっている。 結果的に、セミクジラの減少原因は日本、米国、ソビエト連邦の捕殺による影響が多重的に作用したという意見が出されている。
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