実験直後からの懐疑的意見・否定的意見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 14:53 UTC 版)
「ニュートリノ」の記事における「実験直後からの懐疑的意見・否定的意見」の解説
当初よりこの実験結果に対する懐疑的意見があった。小柴昌俊が行ったSN 1987Aの観測では光とほぼ同時(発生源からの距離に比して)に届いたニュートリノしか確認されておらず、整合しない。もしニュートリノがOPERAの実験結果と同じくらいの速度であれば、ニュートリノは超新星からの光学観察時刻の8年前に到着していなければならない。2007年にフェルミ国立加速器研究所におけるMINOS実験で同様の結果が発表されているが、誤差が大きかったという。発表直後は、ニュートリノではなく未知の性質の発見を表しているかどうか注目されていた。また、日本がスーパーカミオカンデで人工ニュートリノ飛行実験をしていることから、日本の実験結果も注目された。 10月6日、CERNのホイヤー所長、高エネルギー加速器研究機構の鈴木厚人機構長、フェルミ国立加速器研究所のオッドーネ所長らはジュネーブで記者会見し、OPERA実験の超光速の結果に対し懐疑的立場を示した。ホイヤー所長は「1つの方法による1つの実験結果にすぎない」とし、CERNとOPERAを切り離す立場をとり、特に実験に使われたGPSによる時計あわせが疑われるとした。そのため今後フェルミ国立加速器研究所で追加実験を行い、数ヶ月後に結果が出る見込みと語った。。 11月19日、グラン・サッソ国立研究所の別の実験チーム「ICARUS」が、OPERAの結果を否定する論文を発表した。それによると、実験では光速で移動する粒子と同じエネルギースペクトルを示したという。グラショウ理論によれば、もし超光速ならエネルギーをほとんど失っているはずだという。
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