安濃津とは? わかりやすく解説

あのつ【安濃津】

読み方:あのつ

三重県津市、または津港古称博多津(はかたのつ)・坊津(ぼうのつ)とともに三津(さんしん)の一。あののつ。


安濃津

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/26 04:18 UTC 版)

安濃津(あのうつ、あのつ、あののつ)は、伊勢国安濃郡(現在の三重県津市)に位置し、日本の古代から中世にかけて栄えた港湾。漢字は安乃津阿野津とも表記され、洞津(あなつ)とも言う。

概要

古代以来、日本の主要港である三津七湊の一つとして栄えた。また中国歴史書[1] には博多津福岡県)、坊津鹿児島県)とならんで日本三津(さんしん)に数えられている。

歴史

安濃津はに近く、平安時代から京の重要な外港・東国への玄関口として重要な位置を占めた。「津」とは港を要した町、港町の事。また、伊勢神宮による御厨も営まれた。

以後主要港として守護所も置かれる港湾都市として繁栄を続けたが、明応7年8月25日ユリウス暦1498年9月11日)に発生した明応の大地震津波で壊滅的な被害を受けて廃れたとされる[2]大永2年(1522年)、当地を通りかかった連歌師宗長は4、5千の廃墟や堂塔の跡を残すのみの荒野となり、犬の姿や鳥の鳴き声すら稀であると手記に記録している[2]。港が破壊されてしまったが故に当時の正確な港の位置は分かっておらず、贄崎(にえざき)灯台沖説と阿漕塚説が提出されている[3]。なお、1996年(平成8年)に三重県立津実業高等学校(津市柳山津興、阿漕塚付近)で行われた発掘調査では、茶碗などの遺品や遺構が発見され、港の存在が証明された[4]

戦国時代、付近に津城(安濃津城)が築かれ城下町として発展し、江戸時代には同地に津藩が置かれた。

第1次府県統合の際には三重県の前身となる安濃津県が置かれた。

脚注

  1. ^ 『籌海図編』(1561年)、『日本風土記』(1591年)、『武備志』(1621年
  2. ^ a b 「角川日本地名大辞典」編纂委員会(1983):709ページ
  3. ^ 海の博物館・石原(1996):54ページ
  4. ^ みえ歴史街道構想津安芸久居一志地域推進協議会(2002):41ページ

参考文献

  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 24三重県』角川書店、昭和58年6月8日、1643pp.
  • 海の博物館・石原義剛『伊勢湾 海の祭りと港の歴史を歩く』風媒社、1996年7月20日、165pp. ISBN 4-8331-0045-2
  • 『みえまんなか学のすすめ vol.2』みえ歴史街道構想津安芸久居一志地域推進協議会、平成14年3月、79pp.

関連項目



安濃津 (津)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 09:16 UTC 版)

近代以前の日本の都市人口統計」の記事における「安濃津 (津)」の解説

宗長手記』によると、安濃津は10余年前の津波により荒野となり、大永2年1522年)には40005000軒の家堂塔の跡が残っているのみと記している。よって最盛期推定人口2万5000人以上。

※この「安濃津 (津)」の解説は、「近代以前の日本の都市人口統計」の解説の一部です。
「安濃津 (津)」を含む「近代以前の日本の都市人口統計」の記事については、「近代以前の日本の都市人口統計」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「安濃津」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「安濃津」の関連用語

安濃津のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



安濃津のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの安濃津 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの近代以前の日本の都市人口統計 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS